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1967年式
PORSCHE912
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クラシックポルシェ・
エンスージアスト垂涎の
レアモデル
「初期型ポルシェ912」ご紹介!
その類稀な誕生ストーリーに
心底興奮する・・・の巻
1965年・・・。その前年に満を持して誕生した911のボディに、それまでの356由来の4気筒エンジンを搭載して誕生したのがポルシェ912です。 今日に至っては、その後の914や924、現代のボクスターなどのイメージで「ハイエンドクラスへのエントリーモデル・・・」と思われがちですが、911の開発ストーリーを本国の文献から読み解いていくと、決して廉価版エントリーレベルで発売された車で無い事は間違い無く、類稀な環境で誕生した912は、その後のポルシェの歴史をも変えた、真の血統書付きクラシックカーとして、「全世界が認めたコレクター垂涎のレアモデル」である事が良く分かるのです。
ポルシェ912・・・
その後のポルシェの歴史をも変えた、
類稀な誕生ストーリー・・・
戦後ドイツの復興の証、ポルシェ最初の量産車であるポルシェ356は、空力を意識し丸みを帯びた特徴的なフォルムを持ち、性能と実用性を両立させた空冷4気筒エンジンを搭載していました。 第二次大戦後、1948年オーストリアの製材所跡地で最初の356が製造されてから、1965年にシュトゥットガルトで最後の356が製造されるまでの間に、当時の戦勝国、アメリカ本土での販売成功を礎に、ポルシェは絶対的人気を誇る世界的な自動車メーカーへと成長します。
ビッグセールスを記録する最中にありながらも1950年代後半には、ハイエンドの2シータースポーツカーの市場が突然として飽和状態になるのではないかと危惧する声がポルシェの中にあり、後に911となる車は、ポルシェが真の4人乗りスポーツカーの領域に進出するための研究要素として誕生します。
4人乗りスポーツカーとしてのコンセプトは、創設者フェルディナンド・ポルシェの孫、ブッツィー・ポルシェが作り上げますが、最終的に父、フェリー・ポルシェの命令により、2人乗りに作り変えられ経緯があり、その後も脈々と続く、実質的2シーター、あの独特のリアシート形状を持つ911となったのは興味深い史実です。
356より大きなボディスタイル、4人乗りスポーツカーを目指していた911には、356が空冷4気筒プッシュロッドエンジンを搭載していたのに対し、空冷6気筒カムドライブエンジンという、当然の事ながらより大きく、よりパワフルなエンジンが搭載されます。実はポルシェは1950年代初頭から、4気筒4カムドライブエンジンを生産しており、356の特別仕様車「カレラ」にも搭載していました。 当初、ポルシェは新しい911を356の後継車としてではなく、356カレラが占めていたハイエンドのニッチ市場を拡大するためのマーケティングとして開発しますが、すでに発売から17年経過し、販売の後退が見られた356のデザインが完全に時代遅れとなり、事業に大きな谷間ができると言う事実に直面したポルシェは、新しい911のデザインを356の後継モデルとして採用する方法を取らざるを得なくなります。その一方で当然生産コストは大幅に上昇、初期の911は、356の最終型SCが16,450マルクであったのに比べて約40%増しの22,900マルク、当時の12気筒ジャガーEタイプよりも高価な程でした。
911シリーズを成功させる為には、マーケッティング的に356とさほど変わらないプライスゾーン設定が必要・・・。その為にポルシェは、356での10年以上にわたる開発で、技術的に熟成させた4気筒プッシュロッドエンジンを911のボディに搭載するという実験を開始します。わずか数ヶ月という短い期間でテストを行った結果、この組み合わせは「新たなポルシェシリーズ」として非常に完成度が高い車であることがすぐに判明します。加えて魅力的なプライズソーン設定の為、様々なコスト削減が図られました。 主だった所では、初期の911のダッシュボードはマットブラックに塗装され、木製のトリムが施され、5連メーターが標準装備されていたのに対し、912のダッシュボードは外装と同色の塗装、トリムはなく、3連メーターが標準装備となります。また、911の5速トランスミッション標準装備に対し、912はオプション追加を除き4速トランスミッションが標準となりました。これらの新たな取り組みにより、912の最終的な販売価格は最終356とほぼ同じ16,000マルクを実現。こうして誕生したのが、ポルシェ912なのです。
空冷6気筒エンジンを搭載したポルシェ911は、最終的に全世界で大きな成功を収めたスポーツカーになりましたが、開発当初にはポルシェが意図しない問題もありました。 初代911の6気筒空冷エンジンは、356の4気筒エンジンに比べて、僅かな排気量と馬力しか向上出来なかった反面、重量は約90kg増加。さらにそのマスはリアアクスルを越えた場所に存在。 その結果として新型911は非常にテールハッピーな車になってしまい、ポルシェは実際にフロントにウェイトを取り付けてバランスを取ろうとした程です。
それに比べて熟成4気筒エンジンを搭載した912は非常にバランスが良く、結果的にスポーツカーとして最も重要なハンドリング性能に優れており、実際の走行シーンでは911よりも速く俊敏、素晴らしいドライビングエクスペリアンスをドライバーに提供することができたのです。
その上、356での10年以上にわたる開発の成果を発揮し、最も進化した信頼性の高い4気筒プッシュロッドエンジンを搭載した912は、燃費性能も当時のデータで13km/Lと大変優れていました。それらの結果、1967年までの912の販売台数は、2対1の割合で911を上回っていた程だったのです。
1969年末、912の新車価格が最も安価な911とほぼ同等になったことから、ポルシェは912を911のラインに併合することを決定します。その間の生産台数は約3万台。その当時の日本への正規輸入車は、ちょうど100台という記録が残っています。
この様な史実から、決して廉価版エントリーレベルで発売された車でないことは間違いなく、911開発過程という類稀な環境で誕生した912は、現在「真の血統書付きクラシックカー」として全世界のクラシックポルシェ・エンスージアスト垂涎のレアモデルとして、後世へ脈々と受け継がれているのです。
現在のオーナー様の
元で足掛け21年間、
人生を共に活きた
素晴らしき相棒・・・。
1967年式
ショートホイールベース初期モデル、
希少5速MT・5連メーター搭載車は
正規輸入車100台の中の一台!
このポルシェ912と足掛け21年にわたり、素敵なライフスタイルを過ごされて来られたオーナー様からお話し頂く一言一言は、ジャーマンクラフトマンシップに対する絶大な信頼感もさることながら、車と人間・・・「この67年式912」との濃密な信頼関係を大きく感じ、長らく苦楽を共に過ごされたこの車へ対する敬意を感じる大変素晴らしい物でした・・・。
立ち姿を拝見するだけでも、「大切にされたオーラ」を感じるこの912を前に「決してピカピカじゃないよ!」と笑ってお話し頂くオーナー様、クラシックは「乗ることが最高のメンテナンス」と国内各地のクラシックカーイベントに積極的に参加され、多くの思い出とともに数多くの賞を受賞してこられました。「本当に嬉しかったなぁ〜・・・車が褒められると、まるで自分が褒められた様に感じるんだよね!」と912を見つめて談笑されるオーナー様、素敵なポルシェライフと共に今日脈々と続く人脈を築かれたのも「この車のおかげ、私が車に面倒見てもらって素敵な人生を過ごさせてもらっているんだよ!」とおっしゃるお姿に、オーナー様の温かいお人柄と、車への真の魅力を感じずにはいられなかったのです!
1967年
Porsche 912 仕様詳細ご紹介
以下にオーナー様から頂戴した仕様詳細を紹介致しますと・・・。
初期912のオプション装備車両である特徴として・・・
1 初期ショートホイールベース仕様車
2 当時のオプション仕様5連メーター仕様車
3 希少パーツ、エンジンルームアルミ製ダクト装備車両
4 コーチビルダー、カルマン社製ボディ架装車両
である事が挙げられます。
次にヨーロッパ仕様の車両である特徴として・・・
1 フロントウインカーランプが横長の白・黄色コンビネーションである事(北米仕様は全て黄色)
2 リアのリフレクターが内蔵タイプである事(北米仕様は外付けリフレクター)
3 エンジンマウントリアエンド部がプレート形状である事
4 後部フェンダーにサイド反射鏡が無い仕様である事
が特徴として挙げられます。
そして、大変希少な当時100台のみ国内輸入された正規輸入車の証として・・・
1 フロントウインドウシールドのみ薄いグリーンの着色ガラス仕様である事(他は透明ガラス)
2 スピードメーターがkm/h表示である事
3 911S用5速トランスミッション装備車両である事
4 エンジンルームにレインガーターが装備されている事
など当時の初期型912としては最高のオプション仕様であった事が分かります。
そして、オーナー様とこの67年式912の信頼関係を裏付ける濃密なヒストリー、「メンテナンス履歴」もしっかりと残っています。
主だった所を紹介すると・・・
2000年 67年式初期型ポルシェ912購入
2001年 車検整備
2007年 車検整備 車体全塗装実施
2008年 ウエーバーキャブレター・ジェット交換、エンジンマウント交換、エンジンオーバーホール実施(シリンダー・ピストン・ベアリング全交換作業)
2009年 車検整備 ドライブシャフトブーツ交換、トーションバーグロメット交換、オルタネーター交換
2010年 フロント・ショックアブソーバー交換
2011年 車検整備 タイヤ交換、バッテリー交換
2012年 フロントサスペンションパン交換、フューエルタンクフロアパン交換、フロント周辺下部塗装、アライメント調整
2013年 車検整備 フロントハブグリース交換、フロントホイールオイルシール交換、対ロッドエンドブーツ交換
2014年 フロントハブベアリング交換、フロントホイールベアリング交換
2015年 車検整備
2017年 車検整備 フロント・リアブレーキオーバーホール、キャリパー・マスターシリンダー交換、ミッションオイル交換
2018年 オイル、プラグ交換
2019年 車検整備 ロッカーパネル塗装、フェンダーインナー塗装
2021年 エンジンオーバーホール、シリンダー・ピストン交換、シリンダーヘッド・バルブオーバーホール、オイル漏れ対策としてクランクシール交換
などなどです・・・!
現在2度目のエンジンオーバーホール実施直後で慣らしセッティングの最中、リーンガス回避でキャブレターがリッチなセッティングとなっています。
「ポルシェは基本的にとても丈夫な車・・・。パーツ類に関しては、本国ドイツは勿論、アメリカからも豊富に供給されているのでとても維持しやすい、これも長くじっくり向き合える大切な要素!」とは大変説得力のあるオーナー様のコメントでした。
取材後記
取材当日、雨上がりの東京近郊の町、緑あふれる丘陵地にオーナー様と共に現れた67年製ポルシェ912は、この可憐な車を量産したミッドセンチュリーのジャーマンクラフトマンシップに敬意を表したくなるほど、大変美しく魅力的な車でした・・・。気がつけば50枚の掲載写真の為に撮った写真は400枚以上・・・!微妙なアングルの違いで表情を刻々と変える912とファインダーを通して向き合わせて頂いた僅かな時間でさえ、大変濃密で素晴らしい物だったのです・・・!
詳細写真で可能な限り表現していますが、オーナー様のお話しの通り、決してピカピカのショールームカーでは無いかもしれません・・・が、「車と人との信頼関係」そこに深い味わいと重厚なヒストリーを感じる、そんな豊潤な美しさと魅力を感じる車なのです!
「この車で仲間と走ると峠では何故だか911より早いんだよね・・・」何気なく仰ったオーナー様の一言に深い魅力を感じて掘り下げた今回の912誕生ストーリーでしたが、知れば知るほど・・・乗れば乗るほど深くなる魅惑的な車・・・、そんな奥の深い味わいを感じる事が出来るのがこの67年式ポルシェ912の一番の特徴では無いでしょうか・・・。
「体力的に今までのレベルでこの車の面倒を見ることが出来なくなってしまった・・・。」というのがオーナー様の「次のまだ見ぬ新オーナー様」へのバトンタッチ希望の理由でおられます。
「この車に乗って分かった事が沢山ある、だからこそ乗ってみてぜひ味わって欲しい・・・」今まで足掛け21年間、この912の魅力を深く楽しまれたオーナー様のコメントはどれも感慨深く、筆者の心に響いたのが今回の取材です。
きっとこれを読み、この912の魅力を感じていただけた「次のまだ見ぬ新オーナー様」へも、とっつきやすいが実は濃厚で豊潤、知れば知るほどに味わいを増す・・・クラシックポルシェ912の魅力の片鱗を感じて頂けた事と思います。
「全世界のクラシックポルシェ・エンスージアスト垂涎のレアモデル、67年式初期型ポルシェ912の魅力奥深し・・・。」
次の20年・・・、新しいオーナー様の元で、どの様に更なる魅力を増して行くのか、私にはそんなバトンタッチが心から楽しみ!と思えて仕方がないのです・・・。
▲この素晴らしい車両は現在、東京都にあります。
個人のため諸費用等はかかりませんが、自動車税(月割り)とリサイクル料のご負担をお願いいたします。また陸送等は購入者様の方で手配をお願いいたします。
※掲載車両は個人所有の物でオーナーさんの依頼により取材を行ったものをFOR SALEとして掲載しています。
※記事内容は担当者が1時間程度の取材時間の中で、オーナーさんのコメントと、見聞したものを元に作成したものですので、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があり、記事内容に関しても当サイト裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事と異なる場合がある事をご承知おき下さい。
※掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで購入を前提として検討されている方のみとさせて頂きます。
※以上の記事内容は、オーナー様のコメントをもとに作成したものです。整備履歴、修復歴などに関しては、当サイトで裏づけを取ったものではありません。