エステートセールスプレマシー

1970年式

Lotus Europa S 2 Type54

車両の細かな状態は写真毎に説明があります

上部スライドには、車両の魅力的な写真が50枚ございます
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ビンテージ・ロータス・
ヨーロッパに乗る
と言う事・・・

1960年台・・・メルセデス・ベンツの様な大企業が、計画的にレースに出て市販車の魅力をアピールするのとは対照的に、小規模フォーミュラー専門コンストラクターであったロータスは、レースでの素晴らしい成功を生かして時折市販車を作ると言う、全く真逆の視点からロードカーを極めて少数生産し、実際に公道を走れるロータスを手に入れる事が出来た、当時の限られたエンスージアストに、極上のドライビング・エクスペリエンスをもたらしていました・・・。

そんな稀有な誕生ストーリーを背景に、今日ビンテージ・ロータス・ヨーロッパに触れる度に・・・「よくぞこのクルマを9230台も当時作ったな・・・」と感じざるを得ません・・・。

フォーミュラーカーから派生した特殊な造形を持ち、異彩と言う名のオーラを振り撒いてきたヨーロッパも、今日ではすっかり絶滅危惧種・・・。発売からすでに半世紀が経過し、現存する個体数も激減しています・・・。

当然の事ながら、当時さながらに各部に確り手が入り、仕上げられたビンテージのロータスに触れる事は、他のプロダクションカーに触れるのと一種違った感が明確にあり、過去にさかのぼり、過ぎ去った時代の美学をタイムマシン的に体験できる・・・「ビンテージ・ロータス・ヨーロッパに乗る・・・」と言うこの最も明確な方法は、1960年代英国のエンジニアリング・造形・フィーリングを凝縮した、コーリン・チャップマンの美学・哲学そのものに触れることが出来る・・・人類学の実践的なエクササイズである様に思うのです・・・。

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単純化して、
軽さを加える・・・
チャップマンの
哲学に触れる事が出来るクルマ・・・

開発コード“タイプ46”・・・1966年12月に発表されたロータス・ヨーロッパは、コーリン・チャップマンの「単純化して、軽さを加える」自動車デザインの哲学に沿って設計・製造された、他に類を見ない実に独創的なクルマです・・・。

1960年代半ばには、ミッドシップエンジンの車両構成は、フォーミュラーカーに最適なレイアウトとして確立されていましたが、公道を走る車にはまだほとんど採用されておらず、エンジンを真逆に搭載しトランスミッションを直結、ドライブシャフトさえ不要としたミッドシップレイアウトは、「ロータスを成功に導いたフォーミュラを使って、ミッドエンジンスポーツカーを作りたい・・・」と考えていたチャップマンにとって「単純化して、軽さを加える」思想哲学にぴったりなプロジェクトとして、実に多くの(!)独創的デザインアプローチを実施して完成し、その後シリーズを追うごとに熟成します・・・。

当初チャップマンは、このヨーロッパ市場向けに発売する計画を立てた新しいスポーツカーに、英語で「妖精」を意味する「ロータス・エルフィン」と名づけようとしますが、スペイン語で「エルフィン」は「終わり」を意味する事を知り断念、そのままストレートに”ヨーロッパ”というネーミングが採用されました。

フェラーリ250GTO同様・・・“ブレッドバン”(パン屋の配達バン)と揶揄される、ヨーロッパ独特の仮想ロングテール・コーダトロンカ形状は、1963年にロータスのエンジニアリング・ディレクターであるロン・ヒックマンが、フォードが製造するレースカー「フォードGT40」を、ロータスが受注するための図面を作成した際にデザインを起こしたものです・・・。残念ながらその契約がローラ・カーズに奪われると・・・、チャップマンはヒックマンが描いた、空気抵抗係数わずか0.29という高効率の空力設計を、新しいミッドエンジン搭載車として計画していたヨーロッパのデザインとして採用したのです・・・!

このロータス初のミッドエンジン搭載ロードカーは、改良されたルノー16エンジンと4速ギアボックスを搭載し、ロータスの慣習に従い、スチール製のバックボーン・シャシーにグラスファイバー製のパネルを組み合せたボディを架装、フォーミュラーの足を簡素化した独創的な”チャップマンストラット “と呼ばれる4輪独立懸架を採用し、「実にしなやかに、そして機敏で軽量」という素性を与えられたのでした・・・。

そのフィーリングたるや・・・これはまさにスポーツカーの域を超えた「ロードゴーイング・フォーミュラ」その物・・・!

実に柔軟でしなやかな乗り心地・・・そしてステアリングを切った瞬間・・・、別次元の乗り物に乗った事を気づかせてくれる・・・そんなスリリングな醍醐味たっぷりのクルマとなったのです・・・!

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ロータス・ヨーロッパに乗ると・・・
知らず知らずに街中を離れ、
向かうのは
カーブが続く峠道・・・。

スーパーセブンでのコーナリングが、斧でダイナミックに切り崩す感じだとすると・・・、ヨーロッパのそれは、シャープなナイフで、ミリ単位を繊細にカットする感じ・・・。オーバーステアへの移行は非常に緩やかで、まるでスローモーションのような感覚を覚える・・・。レーシングドライバーは、コーナーリング中に考える時間を持つと言いますが、その理由が分かる気がする・・・そんな感覚がヨーロッパにはあるのです・・・!

捩れを利用したシャーシと、大人二人で持ち上がるFRPボディにより、「しなやかな軽さ」を得たヨーロッパのハンドリングは、異次元の一言・・・。たとえ走り慣れていない峠道でも、縁石ギリギリを狙いたくなる感覚を、ドライブする全ての人に寛容に与えてくれます・・・。

軽い車体と車重前後バランスが生み出すブレーキは、後輪ドラムブレーキながらも十分なストッピングパワーを持ち、実にキビキビとしたドライバビリティを楽しませてくれます・・・。

肘の高さにあるセンターコンソールの先には、実に理想的な場所にシフトレバーがあります・・・。長いリンケージを介して車体後方のギアボックスを操るヨーロッパ独特のシフターも、リンケージの動きを理解すると、カチッ・カチッと小気味良い素早いシフトチェンジを可能にし、ヨーロッパによく聞く「扱いにくさ・・・」は、仕上がった車にはありません・・・。

S2の特徴であるフィンが遮る左後方の悪視界も、慣れてしまえば、運転席から少し背伸びすると・・・見えるようになります・・・(笑)。

車が人に合わせる・・・という現代の車の真逆・・・!「人間がクルマに合わせる・・・」そんな楽しさに気づけば、その魅力から離れられない、立派なクラシック・ヨーロッパ乗りになるのではないでしょうか・・・!

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近年フルレストアされた
履歴と、直近で外装仕上げを
終わらせたばかり・・・
ファーストオーナーの
ロンドンでのレシートが付属する
1970年式
ロータス・ヨーロッパS2 Type-54

この車は、1970年式のS2 Type-54、左ハンドル車ですが、ファーストオーナーが、1970年8月14日に、イングランド東部ノーフォーク州のノリッジにあったロータス・カー・セールスと言う販売代理店から、当時のオプション付き新車価格1430.5ポンドで購入したレシート記録が残っており、英国内でリリースされた個体であることが分かります・・・。ユニットNo.0238Q、エンジン番号2571、トランスミッション番号1187のマッチング個体となっております・・・。

初期の歴史は記録がありませんが、直近までのレシートを含むヒストリーファイルが残っています。また数年前に海外でフルレストレーションが実施され、(写真記録あり)その後、日本国内に輸入されて来た個体です・・・。

また直近においても、基本メンテナンス項目はもちろん、コイルスプリング(F100kg・R150kg)、車高調整付きダンパー(AVO)交換、ユニバーサルジョイント交換、足回りブッシュ類交換、燃料ポンプ交換、ブレーキサーボ、マスターシリンダー交換、四輪アライメント調整など実施、加えてFRP外装の経年変化によって起こる、クラック全補修並びにオリジナルカラーL07にて再塗装が行われ、現時点では1970年誕生当時を彷彿とさせる、「仕上がった個体」に昇華しています・・・。

大きなリアクリップを開けると、オーバーホールされたエンジンルームが現れます。エンジン後方リア・ラゲッジタブは現在外して保管してあり、オリジナルが色濃く残りかつ、整備性を重視した状態になっています。フロントクリップの下も良い状態にレストアされており、ラジエータ、ブレーキマスター関連がメンテナンスしやすい状態になっています。スペアホイール、オリジナル工具はもちろん付属しますが、メンテナンス性向上の為、現在は別途保管してあります。

またこの車には、ヒストリーファイル、パーツマニュアル、ワークショップマニュアル、パーツインターチェンジ/クロスリファレンスガイド、オリジナルのセールスパンフレット等が付属します。

ドアを開けると、その第一印象はとても良く仕上がっており、オリジナルのバケットシートはオリジナル材で張り替えられており、貴重で華奢なオリジナルステアリングも状態良好、スイッチ・メーター類も全て正常に稼働しています。また全ての内装材、天井材は張り替えられており清潔感たっぷりの雰囲気・・・加えて足元カーペットは、直近で新品に交換されていて、状態の良さが伺える内容です・・・。

ロータス・ヨーロッパのコックピットに乗り込むのは、一度マスターすれば簡単ですが、スーパーセブン同様の技を必要とします・・・。ヒップポイントは地上から10数センチ・・・ドアを開け、手を伸ばせば地面に容易に手が届く・・・、そんな非常に低いドライビングポジションに収まり、ステアリングを握るだけで実に心地よく、ここでチャップマンが何を思ったのか・・・感慨深い念に耽ることが出来る空間がそこにあります・・・。

この上からギュッと押しつぶした様な、幅は広いが、レーシングカーの如くとてもタイトな空間は、クルマ好きにはたまらない空間でしょう・・・!フォーミュラーカーの様に寝そべったポジションも、素晴らしく丁度良く、前方視界も驚くほど良い為、「このまま走ってみたい・・・!」という気持ちが、否が応にも高揚します・・・!

右手を伸ばし助手席前にあるキーを回すと、燃料ポンプが作動し、フランス製ソレックス・キャブレターのプライミングが始まります・・・。燃料ポンプの心地よいサウンドに耳を傾けて、スロットルをパーシャルに・・・そして、さらにキーを回すと・・・!ルノーの・・・いや、全くルノーらしからぬサウンドで1570cc 4気筒エンジンがあっさり目覚めます・・・!

チャップマンの要望の元、ルノーがすべての改造を行い、ロータスにコンプリートエンジンを供給したこのエンジン・・・その結果、フィーリングやエキゾーストノートは、全くルノーらしく無い物なのです・・・!

「オリジナルの潔さ100%・・・」とはまさにこの事、開発当時のヨーロッパらしさ・・・が味わえるのは、やはりこの初期のルノーユニットならではの事・・・!カタログ値僅かに82psなれど、全く侮れません・・・いや十二分に速いんです・・・!

 

果たして、車高が非常に低い為なのか・・・、マインドスピードなのか・・・、あっという間に目が追い付かない速さまで、このエキセントリックなロードゴーイングフォーミュラは、素晴らしいサウンドと共に、実にしなやかに進むのです・・・!

「これがチャップマンの思惑なのか・・・?!」そう感じざるを得ない・・・実に深い味わいが、確かにここには存在するのです・・・!

走り出すとニンマリ・・・これこそビンテージ・ロータスの味わい・・・この車が当時チャップマンの超越した哲学・思想で作られ、現代の車に全く無くなってしまった「性能を超えた感性」を持っている事にご理解頂ける事でしょう・・・。

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取材後記

「性能を超えた感性・・・」これこそが、クラシック・ロータスで味わえる醍醐味と体験を通して感じた私の感想です・・・。

AVO車高調整ダンパーと、クラシックルックなヨコハマA539のセットで、現在は低く構えたルックスがとてもクールですが、付属するオリジナルホイールとハブキャップ、ハイトの高いタイヤをセットすれば、オリジナルルックに戻すことも容易にできる車両です・・・。このまま楽しんでも良し、ハイトをアジャストして完全オリジナルルックにしても良し・・・実に楽しめる内容の個体では無いでしょうか・・・。

「単純化して、軽さを加える・・・」そんなチャップマンの思想・哲学に触れることが出来る・・・!

夜な夜なガレージで思惑に耽り・・・、週末早朝にガレージから引っ張り出し、非日常感いっぱいに思いのままにロータスを操る・・・

なかなか味のある人生では無いでしょうか・・・。

「ビンテージ・ロータス・ヨーロッパに乗ると言う事・・・」

是非お気軽に見学にお越しください。

 

▲この大変素晴らしい「1970年式 Lotus Europa S2 Type-54」は現在、群馬県にあります。

個人間売買のため消費税・諸費用等はかかりませんが、月割り自動車税精算、リサイクル預託金については、ご負担をお願い致します。また陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたします。

※掲載車両は個人所有の物でオーナー様の依頼により取材を行ったものをFOR SALEとして掲載しています。

※記事内容は筆者が3時間程度の取材時間の中で、オーナー様のコメントと、見聞したものを元に作成したものですので、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があり、記事内容に関しても全て当サイトで裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事と異なる場合がある事をご承知おき下さい。

※掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで購入を前提として検討されている方のみとさせて頂きます。

※以上の記事内容は、オーナー様のコメントをもとに作成したものです。整備履歴、修復歴などに関しては、当サイトで裏づけを取ったものではありません。

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スペック

車検

令和5年5月

走行

52498Mile
取材時表示(不明)

レストア

ハンドル

左ハンドル

バッテリ

長さ

3980mm

1630mm

高さ

1060mm

重量

660kg

排気量

1560cc

出品地域

群馬県