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1997年式
インターメカニカ 2000GS 356ロードスター
1.96Lの咆哮・・・!ワイドに張り出したリアフェンダー・・・!!エアコン・オンで超弩級の走りが楽しめる356オマージュ・・・。インターメカニカ製希少2000GSは、クラシカルなポルシェ356を日常で楽しむ、至高の終わらない夢・・・。
1986年公開映画、第1作「トップ・ガン」でのあの記憶に残る名シーン・・・。
ミラマー海軍航空基地のあるサンディエゴ、ウェスト・ローレルとユニオン・ストリートの交差点・・・劇中マーベリック、トム・クルーズの乗るカワサキGPZ900Rを追い、ユニオン・ストリートの急な坂道を、フロント・バンパーを激しく擦りながら、激走して追いかけるポルシェ356・・・。劇中チャーリー教官こと、ケリー・マクギリスの愛車は、実はクラシック・ポルシェ356ではなく「インターメカニカ・スピードスター」でした・・・。
故・トニー・スコット監督による大変美しい映像と、ドラマチックなウエストコーストの景色・・・。そしてあの名場面・・・。全てがアドリブで進んだという突如の告白のシーンは大変ドラマチックで、「ポルシェ356が普段使いで気軽に毎日乗れたら・・・なんて素敵な事だろう・・・!」と、当時アメリカで同じくカワサキKZ1000に乗っていた筆者は、たとえ美しいチャーリーが追いかけて来なくても・・・天を仰ぎ大いに夢見たものです・・・!
ポルシェ356ロードスター・・・何度耳に入れても、実にクラシカルで、流麗な響きを持つ古(いにしえ)のコードネームです・・・。
このコードネームが表すのは、空気の流れが見えるかの様な、特徴的フロントからリアへの有機的デザイン・・・。戦前からの葛藤が生み出した、戦後ミッドセンチュリー期のデザイン史・・・、そして自動車のデザインも第二次世界大戦後、エアロダイナミクスを意識して大きく変化した時代を象徴しています・・・。
1947年という終戦後の混乱期、物資が完全に不足する最中でありながら、本拠地シュトゥットガルトではなく、工場の疎開先であったオーストリアのグミュントで古の356の設計は始まり、翌年に完成した試作車がレースに出場していきなり優勝・・・。初のポルシェの名をつけた高性能スポーツカーとして、後の911シリーズへ脈々と続く、スポーツカーの礎を生み出した大変魅力あふれるモデルとして、全世界的に熱狂的エンスージアストの心を掴んで離さず、既に発売から半世紀以上経過した今日尚、新たに熱く語られ続ける車です・・・。
「このドラマチックで味わい深い、356を日常で楽しむことができれば・・・。」それは全世界のエンスージアストにとって、まさに終わらない夢でした・・・。
これだけ魅力的な基本デザインに対してここ半世紀・・・、この終わらない夢の実現へと、特に自動車文化が根深く存在する欧州では、様々なレプリケーション・ビルダーが泡の様に生まれては消え・・・様々なモデルを生み出します・・・。
その中でも現在、クオリティの高さと実績で、異彩を放つオートモビル・ビルダーとして、ハンガリー生まれのカナダ人である、夫フランク・ライスナー氏と、チェコ生まれのカナダ人である妻ポーラ女史が、1959年イタリアで当初パーツメーカーとして創業したのがインターメカニカ社です・・・。
現在カナダ・バンクーバーにあるインターメカニカ社は、カスタムカー・ビルダーとして世界的に知られていますが、その成功への道のりは正に波乱万丈、険しい人生物語のそのものでした・・・。
夫妻はあらゆる逆境を乗り越え、最終的には挫折を創造的なチャンスに変えて、オリジナルを凌駕するモノづくりを実践してきたのです・・・!
フィアットなどのパーツメーカーから当初創業したインターメカニカ社は、やがて技術力の向上から小ロットのオリジナル自動車製造を始めます・・・。
1960年代後半には、エレガントでエキゾチックな、クラシックフェラーリを思わせる「イタリア」を発表、北米やドイツで好評を得ます・・・。また当時のゼネラルモータース傘下オペルの依頼を受け、これもクラシック・マセラティを思わせる「インドラ」をジュネーブモーターショーで発表、その後北米への流通を確立するほどに成長しました・・・。
1960年代順調に思われたライスナー夫妻のファミリービジネスでしたが、オペルの親会社ゼネラルモーターズが突然、シボレーエンジンとオペルの部品をインターメカニカに供給することを中止・・・。まさに絶望の淵に立たされながらも一家は、1975年に住み慣れたイタリアからカリフォルニアに移住し、新たなビジネスチャンスを模索し始めます・・・。
そんなある日、サンディエゴ近郊でフランク氏が立ち寄った中古スポーツカー・ディーラーで、傷んでいたものの美しいデザインのポルシェ356スピードスターが売られているのを見て、「顧客が望んでいるのは、この美しいクラシックポルシェを日常使いできる事だ・・・!」と閃きます・・・。
新しいデザインのイメージと、イタリア時代の古い代理店がバンクーバーに移転してきたという事実が重なったことで、ライズナー家とインターメカニカ社はカナダに戻り、356をモデルにしながらも現代の環境で存分に走りを楽しめる剛性を追求し、オリジナルを凌駕する車の製造を始めます・・・。
2001年にフランク氏は病気で亡くなりますが、息子ヘンリー氏が両親の意思を継続・・・。ライスナー夫婦の顧客の要望に耳を傾ける柔軟な姿勢と、たとえ郷里を離れてでも成し遂げようとする、目標達成への並々ならぬ夢が、今日その子孫へと脈々と受け継がれ、全世界のエンスージアストが夢見て心から望むユニークな自動車を、半世紀という歳月を超えて生み出し続けているのです・・・!
今はもう生産中止に至った究極のレプリカ356ロードスター・・・。その中でも特異なカスタム・モデルとして異彩を放つ、リアにワイドフェンダーを纏い、ダイナミックなルックスに合わせ1.96Lフラット4エンジンを搭載した、希少な2000GSはこんなクルマだった・・・!
取材では、大変有難い事にいつも素晴らしいオーナー様との出会いがあります・・・。ここに掲載依頼されるエンスージアストの皆様は・・・
「極上車のコレクションを楽しまれる方・・・」
「極上車に仕上げることを楽しまれる方・・・」
「極上車に乗って楽しまれる方・・・」
など様々なタイプの方がいらっしゃいます・・・。
今回のオーナー様は「極上車のコレクションを楽しまれる方」でおられ、状態の良いクルマを絵画の様にガレージに飾り、時折乗っては楽しまれることを至福の喜びとなさっておられるお方です・・・。
オーナー様の過去〜現在の膨大なコレクションの中には、いにしえのオリジナル・ポルシェ356なども含まれますが、現実的に現代の道路事情含む環境下、トラブルなど極力少なく、真夏でもエアコン効かせて楽しめるクラシック・ルックの数々に対して非常に寛大なお考えをお持ちでおられ、ブガッティ・ボートテイル・レプリカモデル〜MG-TDならぬTD2000数台・・・、そしてこのインターメカニカ・ロードスターと、数々のレプリカ・モデルを「エアコンつけて乗れるからね〜!本物よりよく走るし壊れ無いし・・・、現実的には、こっちの方が楽しいよ・・・!」と積極的にレプリカ・モデル楽しまれておられます・・・!
「外見はクラシックだけどクーラーも使えて走りはモダン、そこが本当に良いんだよね・・・!」
「ウエーバー・ダウンドラフトの吸気音が背中から聞こえ、鋼管フレームに頑丈なFRPボディで軽いボディをとてもフットワークよく走らせる・・・!本物よりボディ剛性がよく、ワイドボディは飾っても美しい・・・、特に2000GSはパワーもあるし、乗っても楽しい一言だね!インターメカニカ製2000GSの356はとっても良いよ・・・!」とコメント頂いています・・・!
オーナー様がこの2000GSを手に入れられたのは3年程前・・・。希少なワイドボディとパワーあるエンジン・・・、そして記録簿での裏付けが取れていますが、実走行で4800km程の個体に目を止め入手されました・・・。
実走行が裏付ける走行や内装は問題ないものの、メッキパーツなどはあまり綺麗な状態では無かったとの事・・・。「これは綺麗に・・・そしてファンシーに乗るクルマだ・・・」と意を決してレストアに望まれます・・・。
世界中探して集めたパーツは、本物ポルシェ356プリAモデル用パーツ類・・・
パーツ収集からレストア実施にほぼ3年の歳月と・・・
極上クラシック・ミニ等が一台買える費用を投資し・・・
この程漸く完成したとの事です・・・。
いくら探してもどうしても無く・・・、左右ドアのアウターハンドルだけが、オリジナルで残っているとの事・・・。
それ以外のパーツは、ほぼ全交換で大変美しく仕上がった内容になっています・・・。
その復元修理内容を以下に列記すると・・・。
・ドアハンドルガスケット交換
・サイドミラー左右交換
・フロントバンパー・デコストリップ交換
・リアバンパー・デコストリップ交換
・ロッカーモールセット交換
・ホーングリル本体・ガスケット・スタッド〜ナット一式交換
・ステンレスヘッドリム交換
・フロント・フードハンドル本体〜ガスケット一式交換
・スパークプラグ交換
・スピードメーターケーブル交換
・タイロッドエンドブーツ交換
・パイオニア1DINデッキ新設
・ポータブルナビ・ガックカメラ・ドライブレコーダー・セキュリティ新設
・ケミカル〜ライトバルブ類一式交換
・セルモーター脱着分解リビルト修理
・バッテリー交換
・ウエーバー・キャブレター脱着分解オーバーホール
・左右リア・フェンダー板金修正
・ヨーロッパ仕様バンパーガイド交換
・ティアドロップタイプ・テールライト交換
・その他エンジンオイル〜ミッション・デフオイル・ブレーキオイル油脂類全交換
・ボディガラスコーティング実施(保証書付き)
などなどです・・・!
ここまで手をかけた一台・・・新車同様に美しく仕上がった内容は大変素晴らしく、オリジナルの356ならぬ非常にワイルドなサウンドを響かせ、クラシック・ポルシェ・エンジンさながらに5000回転までシャープに一気に吹け上がった瞬間、スゥっと回転が落ちる様など大変素晴らしい内容になっています・・・。
「堀川さんに原稿書いてもらうのだからじっくり乗ってみて・・・」との嬉しいお言葉に、初夏の晴天下、実際にじっくり乗ってみましたが、オープントップにエアコン・オン、アクセルオンで、とてもダイナミックな吸排気音と共に軽々と一気に吹け上がるフラット4・・・!「これは面白いぞ・・・!」と気が付けば長い直線道路を探して遠方まで・・・。剛性あふれる軽量ボディを纏った2000GSは、一級品のスポーツカーと感じた次第です・・・!
普段使いから気軽に乗れて、夏にはクーラーオンでコンビニにもいける、その気になれば峠まで引っ張り出して剛性感あふれる軽量ボディで非日常感を存分に楽しむ、これらの魅力に加えてオンリーワンのデザインの魅力を存分に楽しむことが出来る・・・!
「クラシカルなポルシェ356を日常で楽しむ・・・終わらない夢」この実現が、これほど身近に得られるのは、クラシックポルシェ356をリスペクトするエンスージアストならずとも、心から嬉しい限りと取材を行いながら感じた次第です。
97年式インターメカニカ2000GS 356ロードスター取材後記・・・
世の中の顧客を感動させる、素晴らしい商品開発の背景には、「顧客が心からのぞむ・感動商品を情熱を込めて提供する事にある・・・」という哲学が常にあると思います・・・。
今回もその歴史ストーリーと創業者、故・フランク&ポーラ・ライスナー両氏の、常に顧客の要望に耳を傾け続けたビジネスの姿勢に大いに感銘を受け、関連する洋書を読み漁り、原稿一気に書き上げました・・・。
何気ない日常が一台の車の存在で非日常へと大きく変わる事実・・・。
情熱をかけて仕上げられたヒストリーを持つ、インターメカニカ2000GS 356ロードスターは、次のまだ見ぬ新オーナー様の人生を、大きく色濃く素晴らしい物へと演出してくれる事間違いありません・・・。
1.96Lの咆哮・・・!ワイドに張り出したリアフェンダー・・・!!エアコン・オンで超弩級の走りが楽しめる356オマージュ・・・。インターメカニカ製希少2000GSは、クラシカルなポルシェ356を日常で楽しむ、至高の終わらない夢・・・。
本家クラシック356をお持ちでおられる御仁にも、普段のりでお薦めしたい一台・・・。
クラシカルなポルシェ356を日常で楽しむ・・・そんな終わらない夢を、是非追求してみては如何でしょうか・・・。
そんな至高の見学に是非群馬県までお越しください・・・。
この大変素晴らしい「1997年式 インターメカニカ2000GS 356ロードスター」は現在、群馬県にあります。
個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。
尚、車検証上はなぜか、1580ccとなっていますが、輸入直後の初期登録の都合上か、詳細は不明です。
現在このまま車検は取得しておられますので、問題はありません。
本車両購入に際しての「自動車税月割精算」並びに「リサイクル預託金(¥11,570)」に関してはご購入者様にご負担頂く事になります。
陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の業務でも、クラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。
【お問い合わせに際して・・・】
このページの車両は、クラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。
至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは。
エステートセール®︎スプレマシーは、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿作成でご紹介し、物・心を整理する北米文化エステートセールの日本版です。
文化も・・・次の世代への引き継ぎも・・・何も残らない二束三文・安値買取とは全く異なり、オーナー様の想いを実直に表現、思い出は心にしっかり残しながらも確実に次の世代に引き継ぐご案内・仲介をいたします。
過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。
大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く、詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。
本記事内容は、2023年5月17日10時より、晴天の元、約5時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビュー、試乗体験したものを元に執筆作成したものです。限られた時間での確認につき現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります、また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものではありません。状態等のコメントも、あくまで取材時の天候・状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい・・・。
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