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1979年式
パンサー リマ
↑↑↑上記アーカイブ動画、是非音声ありでご覧ください・・・。
いつの時代も変わらぬロマン・・・。若きエンスージアストが
クラシックカーでスピードを追う夢を叶えたパンサーリマは、
15年間現オーナー様の感性を刺激続けた一台だった・・・!
“It might be how wonderful to be able to ride and enjoy a classic car full of nostalgia, dynamically and at great speed, without worrying about the motor and the transmission…!”
「ノスタルジー感溢れるクラシックな名車を、エンジン・トランスミッションに気遣う事なくダイナミックに・・・、スピード感満載で乗ることが出来ればどんなに素晴らしい事だろう・・・!」
上記はパンサー・ウエストウインズ社の創業者、ロバート・ジャンケル氏が若きアントレプレナーであった頃、夢いっぱいに思い描いたことです・・・。
このロマン溢れる夢を、当時の英国人が「あっ」と驚く独自性と情熱で実現させたサクセス・ストーリーは、ロータス創業者のコーリン・チャップマン・・・、ミニ開発者のサー・アレック・イシゴニスと並び英国自動車史に名を残す存在となっています・・・。
1938年ロンドンで生まれたロバート・ジャンケル氏の幼少期は、まさにジャガーSS100をはじめとするクラシック・ロードスターが、街中を疾走する時代でした・・・。
カレッジで航空工学を学んだロバート・ジャンケル氏は、スピードの魅力に取りつかれ、かのコーリン・チャップマン氏同様オースチン7を改造した自動車のレースに夢中になります・・・。
アイデアがぎっしり書き込まれたノートを抱え、髪の毛はオイルまみれの風貌だった若き日のロバート・ジャンケル氏・・・。1954年には、なんと16歳で最初の車を作り上げるほどバックヤードでの作業に打ち込みました・・・。しかし当時のロバート・ジャンケル氏には、自動車開発で生計を立てることは出来ず、やむなく家族が経営するファンション・ビジネス、ゴールデンフェルド社に入社します・・・。
ファミリービジネスに取り組む傍で、夜な夜なガレージに籠り続け、1930年代のロールス・ロイスをはじめとするクラシック・カーのレストレーションやカスタムを続けたロバート・ジャンケル氏は、やがてこの会社の経営責任者となるのですが、心の奥にはかつての夢への追求を捨てきれずにいたのです・・・。
そんな最中、自身でカスタムしたロールス・ロイスに家族を乗せてスペインを訪れた際、偶然出会った一人の闘牛士からこのロールス・ロイスを1万ポンドで買い取りたい・・・!とオファーを受けます・・・。
「自分がカスタムした車が想いもよらず高額で売れた・・・!」 この出来事をきっかけにロバート・ジャンケル氏は、心の奥にしまい込んでいた自動車製造会社を設立する夢を実現する決意をしたのでした・・・!
その時若干33歳・・・、若きアントレプレナーながら既に十分な経験を持っていた、ロバート・ジャンケル氏は、「高級車のクリエイターになる・・・」という夢の実現へ一気に人生のギアを入れます・・・。
1971年に自宅の地名に因んで「パンサー・ウエストウィンズ社」を創業、イギリス・サリー州エルムブリッジ地区にあるテムズ川の南岸の小さな倉庫で自らがイメージするクルマ作り始めたロバート・ジャンケル氏は、「ノスタルジー感溢れるクラシックな名車を、エンジン〜トランスミッションに気遣う事なくダイナミックに・・・、大迫力なスピード感で乗ることが出来ればどんなに素晴らしい事だろう・・・!」と、かかるコストなど全く度外視・・・、市場でのポジショニングなど眼にも暗れず「自分の作りたいクルマを作る・・・!」という一途な夢に挑戦を始めたのでした・・・!
幼少期に街中を疾走していた名車の数々をモデルにし、当時最新のジャガー〜ボグゾールなどの最新のエンジンを搭載した、スーパー・クラシック・ロードスターを作る事・・・!その夢に向かい1972年にパンサー・ウエストウインズ社を設立・・・。
最初に完成したプロトタイプは、ジャガーSS100をイメージしたことから「パンサー J72」と名付けられます・・・。このJ72の販売価格は、当時のジャガーモデルの約2倍と大変高額でしたが、雑誌の広告を見た英国富裕層から大きな関心が寄せられ、ロバート・ジャンケル氏は週に1台のペースでJ72を生産し始めます・・・。
その後自身のファミリービジネスであったファッションビジネスの権益を売却し、本格的な工場設立のための資金を獲得・・・。その後ボディパネル製造や内装トリミングなどの外注先の小さな会社を買い取り、パンサー・ウエストウインズは本格的に営業を開始し、創業当初はロールス・ロイスなどの下請け企業として活動しながらも、週に3台のパンサーを生産する会社へと成長を遂げるのです・・・。
こうしてパンサー・ウエストウィンズ社の最初の製品となった超高級ロードスター・パンサーJ72はロバート・ジャンケル氏の自由奔放な創造力と情熱で生まれ、有名著名人・富裕層のハートをがっちり掴み、1973年のロンドンモーターショーでお披露目した際には「これまでに無い、信じられない車」とマスコミに評されるなど鮮烈デビューを果たし、そのハンドメイドによるコーチワークはロールス・ロイスを超えるという評価を得るなど名実共に時代を席巻します・・・。
その後、1974年には大型超高級車「ブガッティ・ロワイヤル」をモデルにしたパンサー・デ・ヴィルを・・・、そして1976年からは、のちにパンサー・ウエストウインズ最大のヒット作となった「パンサー・リマ」を発売するなど、常に極小ロットでありながらも個性豊かな車を顧客要望に合わせて作り続けたパンサー・ウエストウインズ社・・・。
第二次オイルショックの荒波に揉まれ、一時はジャンケル社として分業し、ロールス・ロイス、フェラーリなどの高級車のカスタムから装甲車や護衛車をなども手がけていましたが、1979年に韓国人実業家に身売りを余儀なくされ・・・、その後も精力的にアルミボディとなったパンサー・カリスタの製造を行いますが、1989年には再び韓国KGモビリティに身売りを実施・・・。
つまり・・・。「純粋な英国産パンサー」と呼べるのは、ここにご紹介する1979年製が最終年度となるのです・・・。
現オーナー様の元15年間感性を刺激続け、2011年公開映画
「ルパンの奇巖城」でも劇中車として登場した、最後の英国産
79年式パンサー・リマ・・・!
街中でもようやく紅葉が始まった初冬のある日・・・、筆者が拝見したのは現オーナー様が15年に渡りライフスタイルそのものとして楽しんで来られた最終英国製79年式のパンサー・リマ・・・。
まさにノスタルジーでダイナミックな味わいが溢れる、純粋な英国産モデルとしての最後のパンサー・リマだったのです・・・!
またこの79年式の個体は、2011年5月公開、秋原正俊監督・山寺宏一主演「ルパンの奇巌城」で劇中車としても登場した個体・・・!ルパンのイメージそのままのパンサー・リマの登場はきっと印象に残り、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・!
既に半世紀近く経過した個体ながらFRPによるボディは特有のクラックもなく、ガンメタとアイボリーのコンビネーションが素敵なオリジナル塗装も大変美しく残り、大切に乗られてきた想いを感じるものです・・・。
お仕事も含めてとてもとてもアート的に感性豊かな表現をされる現オーナー様・・・。平成21年から15年に渡り、この希少なパンサー・リマのあるライフスタイルを楽しんで来られました・・・。
長野県のエンスージアスト様特有の「雪の季節の始まりから春の長雨で融雪剤がすっかり綺麗に流されるまではクルマを冬眠させる時期・・・、雨の日は乗らない、酷暑の時期は当然乗らないクルマです・・・。」ととても大切にされてこられ、季節の良い時期を選んでは雰囲気の良い山道など独特のオープンエア・モータリングを心から楽しんでこられたそうです・・・。
機関に関してはとても信頼がおける個体とのこと・・・。
この15年間で大きな不具合は特になく、燃料電磁ポンプの交換と手動チョークの取り付け・・・、一度キャブレター詰まりを起こしたことから燃料タンク内錆び取り処理〜燃料ラインの見直しをされた以外、問題はなかったそうです・・・。
とても綺麗な個体の細部に目をやると・・・。
独立したチューブラーシャーシとFRPによるボディワークが、洗練されたコーチワークで作られた様子がボディの細部やハンドメイドで作られた内装などからしっかり見受けることが出来るのは、ロボットによる大量工場生産が当たり前の時代に大変斬新に受け止められる素晴らしい世界観を持っています・・・。
細幅のクラシックカーと明らかに異なる、現代の高性能タイヤを収めるべくウイング状のフェンダーと、大きく張り出しボリューム感溢れるリアの造形はロバート・ジャンケル氏自らがデザインしたもの・・・。そこに現代の信頼あるボグゾール社製エンジンとSUシングル・キャブレターを搭載し、ボグゾール・マグナムのシャーシを流用したこのクルマは、ノスタルジーなボディスタイルを迫力満載〜味わい満点に走らせます・・・。
公表されたパンサーリマの生産数は僅か897台・・・。それから半世紀近く経過し現在個体数は激減している超希少車・・・。
「パンサー・J72」や「パンサー・ドゥ・ヴィル」はそれぞれ、既存のクルマをレプリカとして製作されたものでしたが、パンサー・リマに関しては、ロバート・ジャンケル氏によるオリジナル・デザイン・・・。
この2シーターのオープン・スポーツカーは、戦前の魅力的なデザイン要素を多く取り入れ、さらに戦後のジャガーXKを彷彿とさせる美しいアルマイト加工のアルミニウム製グリルなどが雰囲気を盛り立てています・・・。
リマの初期構想では「トライアンフ・スピットファイア」のシャシーとトライアンフ製エンジンを使用する計画でしたが、英国レイランド社の協力が得られず断念・・・。その後ボグゾール社のエンジニアにこの計画を伝えるとエンジン供給に合意を得られ、最終的にロバート・ジャンケル氏は車両設計をボグゾール・マグナムのものを基に再設計したのです・・・。
ボディは、頑丈で軽量なガラス繊維(FRP)で作られ、戦前の曲線美を持つボンネットや流れるようなフェンダーライン〜伝統的なランニングボードなどが見事に表現されました・・・。
またフロント・ウインドウ・スクリーンとスチール製ドアに関してはMGミジェットのパーツが使用されているところなど英国風でとてもユニークな部分です・・・。
サスペンションはボグゾールから完成品として供給されたものをパンサー社がスプリングとダンパーを変更して搭載・・・。フロントには不等長のウィッシュボーン式、リアにはコイルスプリングを使用した4リンク式ライブアクスルが採用されています・・・。
エンジンは重量配分を改善するためにフロアパンの位置より若干後方に配置された為、プロペラシャフトは短縮され、シフトレバーの位置も延長するなど工夫が施されています・・・。
ドライバーが後輪軸上の少し手前に座り、最も前方にフロントタイヤが存在する、古典的ドライビングポジションは、言い換えれば、スーパーセヴンと同様のスタイル・・・。軽量なボディがドライバーを軸として前方が振り子のように切り込んで行くスタイルは、古典的スポーツカーそのままで実にエキサイティングなもの・・・!
されど目を釣り上げて床までアクセルを踏み込むスタイルでは全く無く・・・、ロングストロークでトルクがあるエンジンでゆったりと走らせることに実に深い味わいがあるクルマ・・・。
パンサー・リマはまさに大人の為の古典的ロードスター・・・と感じた次第です・・・。
この様子は是非巻頭の動画でもご覧ください・・・。
人生ステージの変化でやむなく手放すオーナー様・・・、「良い方との
出会いがあればバトンタッチしたい・・・。」1979年式
パンサー・リマ・・・筆者の取材後記・・・。
劇中車になったヒストリーを持つ79年式パンサー・リマ・・・。
ガンメタとアイボリーのツートーンが素晴らしくファッショナブル・・・、無事故・無修正は勿論とても状態の良い一台であることに加えて希少車としての唯一無二のオーラが素晴らしく、取材中も大変注目を集める一台でした・・・。事実「どこに行っても必ず声をかけられるクルマですよ・・・」とはオーナー様のコメントです・・・。
「クルマを楽しむのも人生を豊かにする大切な事・・・」とパンサー・リマを目を細めて見つめられるオーナー様・・・。この個体を手足の様に手懐けてドライブされるオーナー様もとてもファッショナブルでお似合いでおられ、この個体と一体になっておられる雰囲気が素晴らしく、まさにライフスタイルその物を表しておられると感じた取材でした・・・。
「15年間大切にしてこられ、とてもお似合いのパンサー・リマ・・・、なぜ手放されるのですか・・・?」との筆者の質問にオーナー様は苦笑いしながら一言・・・、「誰にでもある人生ステージの変化で、次の夢を実現させるために・・・、まさに断腸の想いで手放すことを決めました・・・。」
とのこと・・・。
「私より愛情持ってこのクルマに向き合って頂ける方がいらっしゃれば、是非バトンタッチしたい・・・」と真摯に想いを語っていただきました・・・。
これをここまで読んで頂いたエンスージアストの皆様には、共感いただける方も大勢おられるのではないでしょうか・・・。
人生ステージの変化でやむなく・・・、まさに断腸の想いで大切にされて来た貴重な個体を手放される・・・。手放すことは決めたものの、きっと真摯な次のオーナー様との出会いで「この人ならば・・・」と心から手放すことを決断されることと思います・・・。
「いつの時代も変わらぬロマン・・・。若きエンスージアストが
クラシックカーでスピードを追う夢を叶えたパンサーリマは、15年間
現オーナー様の感性を刺激続けた一台だった・・・!」
「大事にしてくれる人のところに行ってほしい・・・。」とおっしゃるオーナー様
是非想いの伝わる素敵な見学に長野県までお越しください・・・。
この「1979年式パンサー・リマ」は現在長野県にあります。
個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。
本車両購入に際しての自動車税の月割り精算(年額¥39,500)並びにリサイクル預託金(¥0-未預託)はご購入者様にてご負担いただきます。
また陸送等は同様に購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の法人業務でも、自社所有積載車でのクラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。
【お問い合わせに際して・・・】
このページの車両はクラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト「エステートセール・スプレマシー®︎」に掲載されたものです。
至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは。
エステートセール・スプレマシー®︎は、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿と動画でご紹介し、物・心を整理する北米文化エステートセールの日本版です。
文化も・・・次の世代への引き継ぎも・・・何も残らない二束三文・安値買取とは全く異なり、オーナー様の想いを実直に表現、思い出は心にしっかり残しながらも確実に次の世代に引き継ぐご案内・仲介をいたします。
過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。
本記事内容は、2024年11月14日晴天下15時00分より、約3時間の取材時間の中で、オーナー様インタビューしたものを元に執筆作成したものです。かぎられた時間での確認につき、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります。また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものでは無く状態等のコメントも、あくまで取材時の天候状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。
掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。
なお個人間での取引となりますので冷やかし防止のため、現車確認はあくまで「購入を前提として検討頂けるお客様のみ」とさせて頂きます。
何卒宜しくご検討下さい。