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2004年式

スマート・ロードスター・ブラバス

ネガティブな一面の発見こそ改良の大きなテーマ・・・!徹底した改善はシザーズ・ドア装着までに及ぶ・・・プロ・エンジニアオーナー様の手により“オンリーワン”に昇華した04年式スマート・ロードスター・ブラバスは、日常をハッピーに転換してくれる魅惑の一台・・・!

ネガティブな要素まで含めて“欠点を克服しながらドライビングを楽しむ車に育てる・・・”というチャレンジに夢中になった一人・・・レーシングカーデザイナー、ゴードン・マレー氏をも突き動かしたゴールデン・パッケージ・・・スマート・ロードスター・ブラバスの存在・・・。

1998年にパリ・モーターショーで発表されたスマート社による斬新な「スマート・コンセプト」は、1950年代から60年代にかけての古典的なイギリスのオープン・スポーツをオマージュしたもので、ヨーロッパ市場で最も先鋭的な自動車コンセプトとして大きく注目されました・・・。

「コンパクトな寸法から生み出される運転の楽しさを、革新的な技術で再現する・・・」

この新しいスマート・コンセプトは、それまでのスマート・フォーツーをベースに個性的な小型オープンカーとしてデザインし、「スマート・ロードスター」を生み出しますが、ノーマルスペックに加えてドイツ名門チューナー・ブラバスによるエンジンチューンを施した「スマート・ロードスター・ブラバス」という、ハイスペックなコンパクト・スポーツカーがラインナップし、多くのエンスージアストを魅了しました・・・。

その中には、あのマクラーレンMP4をデザインしたレーシングカー・デザイナー、ゴードンマレー氏も含まれていたのです・・・!

1998年秋、スマートの14人のデザイン・エンジニアリング・チームは、スマートの「最大限まで車体を小さくする」という哲学のもと、コンパクトなターボエンジンが6速自動マニュアルギアボックスを介して後輪を駆動するスケッチを描きます・・・。

2002年にパリ・モーターショーでデビューし、発売開始されたロードスターとロードスタークーペは、マツダ・ロードスター、トヨタMR2、MG-TF、フィアット・バルケッタと比較して大幅に小型でありながら、これらの車と同等あるいはそれ以上の性能を持ち、同価格帯でありながら燃費性能は大幅に向上するという、ヨーロッパ市場において唯一無二ユニークな存在を示します・・・。

オープンカーでありながらも非常に高いボディ剛性と衝突安全性が確保されるのは、スマートブランドの他のモデルと同様、超ハイテン鋼を用いた超高張力鋼板による「トリディオン・セーフティセル」を採用した恩恵・・・。この見るからに剛性がありそうなシャーシ対して、衝突の際に衝撃を吸収する、軽量高剛性のFRPのボディパーツを被せる形でボディは作られ、万が一の際には簡単に交換ができるものでした・・・。

僅か880kgという軽量ボディにインタークーラー付きターボ・698cc直列3気筒エンジンを搭載・・・これはフォーツーのエンジンブロックをベースにしたもので、出力はノーマルでは61PS・・・、ブラバスによるチューニングが施されたハイスペックバージョン「スマート・ロードスター・ブラバス」では101PSを出力するもので、大幅なパフォーマンスの向上に合わせて冷却系など各部コンポーネンツがアップグレードされました・・・。

当初スマート社は、ブラバスチューンを含むロードスター全体の損益分岐点を年間8,000~10,000台と見込んでいましたが、初年度の販売台数はほぼ倍を記録・・・。英国の著名雑誌「Top Gear」はこれを賞賛し、2005年には「Fun Car Of The Year」を授与した程です・・・。

ところが一転・・・

親会社ダイムラークライスラーは、スマート社と協業してコンパクト・スポーツカーを生産する体制から急遽方向転換・・・。市場経済主義を追求した結果、僅か4年程の間に43,091台が生み出されたスマート・ロードスターは、2006年に突然生産を中止しました・・・。これはコンパクトなライトウェイト・スポーツカーを愛する者にとってはまさに悲報と呼ぶべきものでしたが、その中にはマクラーレンMP4をデザインしたゴードン・マレー氏も含まれていたのです・・・。

若い頃・・・、1960年代のオースチン・ヒーレー・スプライトに憧れ、その後も軽量化の呪縛に取り憑かれ・・・、数々の歴代レーシングカーのみならずマクラーレンF1等名車をデザインしたゴードン・マレー氏は、スマート・ロードスター・ブラバスを16年間乗り続けたことで知られており、当時のスピリットを現代的なパッケージの中に見出し、スマート・ロードスター・ブラバスを愛用したお一人です・・・。

更に面白いのはここから・・・

ゴードン・マレー氏はスマート・ロードスターのパッケージの革新さに触れ、改良〜改善点を多く指摘・・・。例えば、スマートにはターボが搭載されていますが、「もっと軽ければ、スマートにはターボは必要ない・・・」とさらなる軽量化を優先・・・。カントレール(キャンバスルーフのランナーを形成するドア上部の部品)を取り外して、金属を溶接し、複雑でないシートに改善・・・。するとパワーステアリングも必要なくなり、簡単に100キロは軽く出来、走りは大幅に改善されると提言しているのです・・・!

「ああ・・・、パドルに近接センサーが必要かもしれないね・・・。でも、後輪駆動で小さくて軽ければどうにでも好きな形に改善できる・・・。スマートロードスターは本当に実用的な日常車なんだ」。(※Smart Roadstar Brabus by EVO team より引用) ・・・。

ゴードン・マレー氏は自身のロードスターをネガティブな要素まで含めて、このクルマの大ファンであり、「その欠点を克服しながらドライビングを楽しむ車に育てる・・・」というチャレンジに夢中になったお一人なのです・・・。

実はその様なお方が、ここ日本にもおられました・・・。

次の章ではオーナー様の経験と感性で様々な改善〜改良が施され、見事な状態にまで昇華した吊るしの一台とは明らかに異なる「スマート・ロードスター・ブラバス」をご紹介いたします・・・。

ガレージにはまさに製作工房・・・!プロのエンジニア・オーナーが程度の良い個体を英国から個人輸入・・・その改善〜改良ポイントはシザース・ドアコンバージョンにまで及ぶ・・・!素材〜加工にこだわり徹底して手が入った一台はスーパーホットな走りを披露する一台・・・!

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「このスマート・ロードスター・ブラバスは私が3年前にイギリスから個人輸入したクルマなんです・・・」その様にお聞きし取材に伺った今回の訪問記は、オーナー様のガレージを拝見するところから始まりました・・・。

完全密閉ガレージには、膨大な数の1/43サイズのミニカーコレクションから、影響が大きい為ここには書けない程貴重な・・・エンスージアスト垂涎モノの・・・、筆者が思わず言葉を失った程貴重な1/1サイズのネオ・クラシックなレーシング・エボリューション・モデルまでがずらりと鎮座し、素晴らしい世界観を作られています・・・。

すでにパーツなど到底存在しない中、20年以上素晴らしい状態で完全動体保管されておられるのは、紛れもなくオーナー様の人生経験値によるもので、ガレージに隣接する工房には、旋盤・フライス盤・溶接機・機械設計用製図版までが整然と並び、現在まさに作業進行中の様相を呈し、自ら「素材と加工フェチ」と称されるプロの職業エンジニア様が、徹底してこだわる部分を楽しみ、存在しないパーツはご自身で作り、更に長年持っておられることで見えてくるネガティブな一面や経年による変化を、ポジティブに楽しみへと変換し、向き合ってこられた世界観と瞬時にお察しした次第です・・・。

かねてよりスマート・ロードスター・ブラバスのコンセプト〜素材としての面白さに目をつけ、国内で方々探すも良い個体に巡り合うことができず、状態と正規物より良い装備であった個体がイギリスで見つかったことから、現地代理人に現車確認をお願いし、個人輸入を敢行された初年度登録は2019年記載となる、車体ナンバー39290/43091・・・後期型2004年式となります・・・。

これもオーナー様がご自身で取り付けられた、特徴的なシザーズ・ドアが目を惹く一台ですが、改善の理由としては、ドアが長いクルマ故、少し横に開いた後上方向に開けるので、狭い駐車場などで非常に便利になったとのことです・・・。

基本的な装備は以下の通り・・・

  • スマートオリジナル「ジャックブラック」カラーリング
  • 2ペダル6速MT・ATモード付き、
  • ロリンザー製17インチ超ワイドリムホイール装着
  • クルーズコントロール
  • ドライブコンピューター
  • オートライト
  • 雨天感応ワイパー
  • オートドアロック
  • フォグライト
  • シートヒーター
  • スーパーウーファー
  • ETC
  • ハードトップ付き

などなどフル装備仕様となっており、特に日本仕様車においてフォグライトは飾りのみで点灯しないが、LEDライト装着で点灯可能に改良済み・・・など拘りが散見される内容となっています・・・。

様々な改良〜改善点と列記すると・・・

  • 2019年 11月英国より個人輸入〜国内新規3年登録実施

 

  • 2020年輸入直後より・・・
  • エンジンマウント交換
  • ウォーターポンプ交換
  • ファンベルト類交換
  • エアコン高圧、低圧ホース対策品に交換
  • 中間ホース交換
  • サーモスタット交換
  • スタビリンク交換
  • ドライブシャフトOH
  • エンジン脱着錆び落とし〜錆び止め塗装
  • オイルパンドレン付きに交換
  • オイルフィルター、カートリッジタイプに変更
  • オーディオ交換、スピーカーJBLのセパレートタイプ取り付け
  • メーター表示、マイルをキロに変更(文字盤をAMGタイプのキロ表示に交換)
  • サスペンションをビルシュタインB14車高調に交換
  • リヤドラムブレーキをディスクブレーキに変更
  • ラジエーターファンをツインに変更(SPAL社製)
  • ブレーキマスターを大径化(アウディA3用を流用)
  • サクションホース〜インタークーラーホースをシリコンホースに変更
  • アーシング実施
  • ウルトラシリコンコードに交換
  • イリジュームプラグに交換(後にノーマルプラグに戻す)
  • フロントフードガススプリング交換
  • エキマニバンデージ巻き
  • オイルキャッチタンク装着
  • ステアリング交換 450ボスを改造、ATCのDシェープハンドル装着、
  • パドルを自作ドライカーボン製に交換、取り付けボルトはチタン製使用
  • ハードトップ中古イギリスより別途輸入
  • 天井の布が剥がれていたので、アルカンターラに張り替え(自家製)
  • ハードトップ・プレ・インストールキット使用

 

  • 2021年
  • 作動不良により、サーモスタット交換
  • LSD社製シザース・ドアに換装〜取り付けセッティング
  • ヘッドライト、フォグライト、LEDに変更

 

  • 2022年
  • 点火コイル3個交換
  • スパークプラグノーマルへ交換
  • シフトノブBマークの物に交換

などなど〜非常に丁寧に・・・、エンジンオイル6か月ごとの交換、ミッションオイルは年に一度の頻度で交換(国内3回目交換済み)・レッドラインハイテンプATF交換済みとなっており、またノーマル部品は全て保存してあります・・・。

現在気になる所としては・・・

写真48にある小さなエクボ・・・、また同様の言われないとわからない間でも別のエクボがボディに一箇所あります・・・。

また目立たないまでも、左ドアに2箇所ペイントのクラックがありタッチアップされておられます・・・。

エンジン脱着などの重作業意外はオーナー様が自ら手を入れ、消耗部品は全て交換し、気になるところは改良〜素材を変更するなど実施し改善がされた一台となっており、安心してブラバスの良いところを積極的に楽しんでいただける一台になっております・・・!

剛性感溢れるシャーシによるダイナミックな走行・・・!698ccなどとは思いもよらない低回転からトルクフルなブラバスチューンエンジン・・・!上質なライトウエイト・スポーツカーそのもののエキセントリックな走りは是非動画でもご覧下さい・・・!

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2004年式スマート・ロードスター・ブラバス・・・取材後記・・・

みる角度で刻々とラインを変化させるFRPならではの美しい造形・・・夢中で撮った写真は300枚を超える内容でした・・・。そして何と言っても・・・このスマート・ロードスター・ブラバスは、オーナーのプロフェッショナルな経験が随所に反映され、明らかに「吊るしの一台」とは一線を画す存在感を放っていたのです・・・!

ノーマル仕様でもワイド&ロウな外観は、見る角度では男心にグサグサ突き刺さるロリンザー製の極太リム・ホイールと超ロープロファイル・タイヤによって完全に別次元のものに変貌しています・・・!さらに・・・!この個体ならではの特徴・・・シザーズ・ドアへの換装により特別なオーラを纏い、見る者に強烈な衝撃を与えます・・・。

ボディ下部を確認すると、綺麗に整備されたエンジンと共に極太のチューブラーシャーシが即座に目に入り、このコンパクトなスポーツカーが良く手が入り、また驚くほど優れたボディ剛性を持っていることが一目で理解できます・・・。さらに、アルミと本革のブラバス専用アイテムを豊富に取り入れた上質なインテリア空間は、スパルタンな雰囲気そのもの・・・。作りこみの良い重厚ささえも感じさせる仕上げは、これを所有するオーナーの感情を間違いなく高揚させる要素となっています・・・。

ワクワクしながら乗り込んでみると・・・ヒップポイントが地上からわずか10cm程の所にある「ロータス・ヨーロッパ」と同等と感じる低いドライビングポジションは、まさに特別なスポーツカーに乗っているという気分を最大限に盛り上げてくれます・・・!

スマートならではの2ペダル6速MTは、ステアリングのパドルシフトの僅かなタッチでシフトアップ&ダウンがタイムラグなくできるもの・・・さらに、便利なオートマチックモードも備えているとなるとエンスージアストの日常車としても万能に活躍してくれる事でしょう・・・。

そして・・・ブラバスチューン698ccエンジンの最も良い所・・・!

踏む事を躊躇する名ばかりのハイパワーエンジンとは異なり、エンジンの特性をフルに使い、いつものワインディング〜峠道などで躊躇する事なく思いっきり踏める事でしょう・・・!

ブラバス・チューニングにより、中〜高回転域で非常に良く回るエンジンその面では「嬉しい!」の一言・・・!レブカウンターの針が3000rpmを超えると、明らかにターボらしい太いトルクを纏い、880kgと軽量なボディをベリー・マッシブに加速させます・・・!さらに、ブラバスチューンならでは下から上まで広い回転域でマックストルクを感じる走り・・・!レスポンスよく5000rpmを超えてもトルクがモリモリ湧き出る感は気持ち良いの一言・・・!それがレッドゾーン手前まで回し続けることが出来るエンジン〜クルマなんてそうそうありません・・・!

それらがオープントップならでは・・・!デュアルエキゾーストから放たれるグッドなサウンドは到底・・・698ccのエンジンとは思えないほどの迫力満載・・・!間違いなく満足感100%!目から鱗のコンパクト・スポーツカーと思う次第なのです・・・!

ネガティブな一面の発見こそ改良の大きなテーマ・・・!徹底した改善はシザーズ・ドア装着までに及ぶ・・・プロ・エンジニアオーナー様の手により“オンリーワン”に昇華した04年式スマート・ロードスター・ブラバスは、日常をハッピーに転換してくれる魅惑の一台・・・!

本当に良く改良〜改善されたクルマです・・・

目から鱗のスマート・ロードスター見学に群馬県までお越しください・・・。

この大変素晴らしい「2004年式 スマート・ロードスター・ブラバス」は現在群馬県にあります。

個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。

本車両購入に際しての「自動車税月割精算」並びに「リサイクル預託金」に関してはご購入者様にご負担頂く事になります。

陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の業務でも、クラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。

【お問い合わせに際して・・・】

このページの車両は、クラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。

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過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。

大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く、詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。

本記事内容は、2023年7月3日13時より、晴天の元、約3時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビュー、試乗体験したものを元に執筆作成したものです。限られた時間での確認につき現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります、また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものではありません。状態等のコメントも、あくまで取材時の天候・状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい・・・。

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何卒宜しくご検討下さい。

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スペック

車検

令和6年11月

走行

30196miles 取材時表示

備考

シザーズドア換装他改良〜改善多数

英国より個人輸入車 右ハンドル2ペダル6MT/ATモード付き

車名 スマート

型式 452437

車体番号 WME4524372L039290

原動機の形式 15

長さ

3440mm

1610mm

高さ

1180mm

重量

880kg

排気量

698cc

出品地

群馬県