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1979年式

VOLVO 262C Bertone Coupe

車両の細かな状態は写真毎に説明があります

上部スライドには、車両の魅力的な写真が50枚ございます
写真をクリックして説明と共にご覧ください

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スウェーデンの品質とイタリアンデザインが
カロッツェリア内で高次元融合、
熱きラテンの血が流れるボルボ初のハイエンドモデル
「ボルボ 262C ベルトーネ・クーペ」は、一味違う実用
ネオ・クラシックカー・・・!

「贅沢なものは必要のないものだが、実用的なハイエンド・ボルボは世に必要なものである・・・。」

ボルボは創業当時より、その開発姿勢、安全性の追求、実用面での耐久性に大きな信頼が寄せられる非常に合理的なブランドと考えられていました・・・。

本日幸運にもご紹介できるネオ・クラシック・・・まさに探しても見つからない・・・出会いを待つしかない希少モデル、「ボルボ 262C ベルトーネ・クーペ」が誕生した背景もまた、このクルマの個性を語れるとても興味深いストーリーが存在します。

ハイエンドなラインナップに置いて、象徴的モデルであった「ボルボP1800」が1973年に生産中止になった直後、ボルボはフラッグシップモデルの役割を担う後継車の欠如に陥ります・・・。

当時のCEOであるペール・G・ユーレンハマーは、このことを問題視し、特にボルボの最大の輸出市場であるアメリカ向けにハイエンドモデル・高級クーペを用意することが重要と考えていたのです。

当時、ボルボのチーフデザイナーであったヤン・ウィルスゴーは、このボルボの新たなフラッグシップ・高級クーペのデザインの為にスケッチを作成しました。それをイタリア・トリノにあるイタリア人デザイナー、セルジオ・コッジョラのところに持ち込み、262Cの独創的なルーフラインを下げた2ドアクーペのデザインを生み出します。

一風変わったスタイル・・・時には「砲台の無い戦車」と揶揄までされ話題になった「ホットロッド・フォーマル」なルーフライン・・・。ボルボ初の高級クーペである262Cは、スウェーデンの品質とイタリアのデザインがカロッツェリア内で融合しイメージが完成したのです。

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ベルトーネ工房で極小ロット、
ハンドメイド的に架装・製造された
スウエーデン品質・・・
ボルボの新たなフラッグシップ・・・
262C・ベルトーネ・クーペ

1970年代のボルボは、それまでの工場内作業を改革するアイデアを持った最先端の企業でした。CEO・ペール・G・ユーレンハマーは、世界初の試みとして、生産効率を考慮した「各部門別組立新工場カルマル」の建設を実施します。

今では当たり前の光景ですが、完全分業制の工場内で車はステーションからステーションへと移動し組み上がって行きます・・・結果として欠陥や労働災害が減り、従業員の離職率も下がると考えたものでした。

当時最先端のスウエーデンのこの工場に対して世界中の自動車メーカーが興味を持ち、1970年代半ばには、ヘンリー・フォード2世を団長とするアメリカの実業家一行が視察に来たほどです。

ところが・・・

社運をかけて開発したボルボ初のラグジュアリークーペ・ボルボ262Cの「ニッチな製品を少数製造する」として取り組まれたプロジェクトは、この新しいボルボ工場の計画には合わなかったのです。

その結果、ボルボ262Cは、フロアパン、フェンダー、メカ、ドライブトレインをスウエーデンで制作した後、イタリアのベルトーネ工房へ送り、従来通りの手作業で組み立て作業、ボディの架装、塗装などを行い生産する手法が取られました。

こうして新たなフラッグシップ、ボルボ初の高級クーペである「262Cベルトーネ・クーペ」は、スウェーデンの品質にイタリアンブラッドが脈々と流れる、感性溢れる名車として誕生したのです・・・!

このボルボ初のハイエンドクーぺは、米国を中心としたニッチなマーケットへ投入、従来のハンドメイドにより年間800台という、ごく少量の生産計画でしたが、蓋を開けてみると・・・生産台数は予想の2倍以上に達し、1977年から5年間の期間に6,622台がボルボの質実剛健を求めるオーナーに渡り愛されたのでした。

その時からすでに40超年経過・・・。6622台の少量生産において、名実ともにエクスクルーシブなネオ・クラシックとなったボルボ262Cベルトーネ・クーペ・・・。まさに探しても見つからない・・・出会いを待つしかない希少モデルへ昇華したと感慨深く思う次第です・・・。

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状態の良い個体を受け継ぎレストアを実施、
オーナー様の苦労ストーリーとは・・・!

梅雨の晴れ間を狙って取材させて頂いたものの、生憎撮影時は小雨混じりのお天気・・・。筆者の目の前にシックに佇むオリジナル色、ミスティック・シルバーにビニールレザートップの希少車は、これぞ「実用車ボルボの真骨頂・・・」と言わんばかりに、雨混じりのお天気がとても似合う存在でした・・・。

外観上目を引くビニールレザートップのフォーマルなルーフは、6センチ近く車高を低められ、太いCピラーを併せ持ち、このクルマの存在感をグッと高めていますが、その結果生まれた、傾斜の強いフロントガラスと、フラットでコンパクトなリアとサイドのガラスが、実にユニークにこのクルマのアイデンティティをもの静かに語っています・・・。

歴代ドクターであったオーナー様が大切に保管した個体です。当時のオリジナルが色濃く残るブラックのインテリアに目を向けても、イタリア産の材料とセンスでボルボ初の高級クーペとして大幅にアップグレードされた様子がとても良く伺えます・・・。

上質なイタリア産手袋の様に、人肌に優しく柔らかいプリーツレザーが、人間工学に基づきデザインされたシート、ドアパネル、グラブハンドル、埋め込み式サンバイザー、ヘッドライナーなど、インテリア空間全てに使用され、実に素晴らしい豊潤な空気感を生み出しています・・・。

ブラックのレザーにアクセントカラーとして良く映えるウッドカラー・・・。職人工房でのハンドメイドが感じられる個性的意匠のドアパネルには、ニレ材の本杢が贅沢に使用され、当時のボルボの高級クーペ創造の意気込みが感じられ、今後この様に作られることはないであろう素晴らしい空間を創造しているのです。

この262Cのオーナー様は、とても味のあるクラシックなフランス車、ドイツ車を造詣深く、感性高く嗜まれるドクターです。お知り合いのドクターがワンオーナーで長らく所有なさっておられたこの262Cを、ご高齢で手放されるタイミングで数年前に譲り受けられます・・・。

その時点では暫く乗られていない状態でガレージ保存されていた車両だった為、日常使えるクルマとして復活させるべく、地元で信頼のおける工場に依頼されてのレストレーションが始まります・・・。

海外からパーツを取り寄せ、半年以上の時間をかけてこのレストア作業は実施されましたが、状態はよかったものの、暫く眠っていたクルマが動き出すまでの作業項目は概ね以下の通りです。

運転席・助手席ルーバー、足上げカバー脱着

グローブボックス脱着

オーディオ、オーディオカバー脱着

センターパネルスイッチ、ASSY脱着

ヒーターバルブワイヤー脱着

クライメートコントロール脱着

センタールーバー、ダッシュボード、ダッシュASSY脱着

エバポレーター、ヒーターコア、ブロアモーター、ファン脱着

ケース分解脱着

エバポレーター分解掃除

エアコンエキパン脱着掃除

エアコンベルト脱着交換

エアコンコンプレッサー脱着、内部洗浄

エアコンガス交換R134a対応

ヒーターコアハリソン特注制作、上下タンクパイプオーバーホール

ラジエーターアッパー・ロウワーホース脱着

ラジエーター洗浄

エンジンシリンダーブロック内部洗浄

ホースバンド交換、クーラント交換

リアブレーキキャリパー脱着オーバーオール

シリンダーホーニング

ブレーキパッド交換

燃料タンク新品交換

燃料計ユニット交換

燃料リフトポンプ・メインポンプ交換

フィルター・ホース交換

Oリング全交換

ATトランスミッション点検修理

オイルパン脱着

ミッションオイル交換

パッキン類全交換

バッテリー交換

油脂類全交換・・・などなど

(※以上概略説明です、詳細は記録簿が付属します)

上記のレストアが終了し、ようやく走れるようになったものの、次の試練がやってきます・・・。

それは、天井の細かな穴の開いたパンチング材から、走行中の振動で劣化した細かなスポンジの粉が舞い落ちると言う現象でした・・・。こちらは、他にお持ちのフランス車修理でお付き合いのある都内の専門業社様に依頼、穴の無い天井材を取寄せて、オリジナル同様のパンチング穴加工を別工場で施し、また戻してルーフ内張全体を張り替えたという、とても手の込んだレストレーションが実施されました。

またこの同じタイミングで、ビニールレザートップを除いたボディ全塗装を実施されておられます。

さらに前回車検時にも冷却系、パワーステアリング、シフトリンケージのブッシュ交換などを実施され、(※詳細記録簿あり)長い時間と忍耐の後、晴れて味わい深い走りが復活します。

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オーナー様のご好意で、助手席にて、
この歴史のサバイバーの実に深い・・・
実用的かつ味わいある豊かな走りを
しばし堪能させて頂きました・・・。

乾いたエキゾーストノートにラテンの血を感じるボルボ262Cベルトーネ・クーペは、フラッグシップモデルならではのパワフルな専用エンジンが搭載されます。この262Cにはプジョー・ルノー・ボルボの共同開発、PRV社製B27F・OHV・V型6気筒エンジンが搭載されました、このユニットは排気量2.7L、ボア×ストローク3.46×2.87インチ、圧縮比8.2:1の4メインベアリングエンジンで、最高出力127hp、最大トルク150lbs.ftという車格に十分なパワーを発揮、油圧式トルクコンバーターを備えたボルグ・ワーナー社製3速オートマチックトランスミッションを介して、このネオ・クラシックカーを実に豊かに、俊敏なクルーザーの様に現代の道を走らせるのです。

そのストロークが大きめの乗り心地は実にしなやか、オーナー様曰く、今の硬めの足になったボルボの足とは異なり、シトロエンのハイドロに近いしなやかさがあると仰います。また見切りの良いドライバーズビューは左ハンドルであっても安心して普段使いを可能としており、この車の魅力を存分に引出してドライブするのはとても素晴らしい時間という事を熱く語って頂いたのです・・・!

ゆったりとしたシートと、ストロークが大きく路面追従性が良いサスペンションで、仕上がった262C

の乗り心地はとても良く、長距離でも疲れ知らずでリラックス出来るのがとても気に入っておられます。フルサイズボディーながら小回りが効き、機敏に動く車体、また2.7L OHVエンジンは、特別早いと言う訳ではない物の、現代交通事情下でも全く問題なく、更にスピードに乗ると素晴らしい走りを堪能出来る・・・とお聞かせ頂き、この仕上がったボルボ262C・ベルトーネ・クーペを心底楽しんでおられるのがとても印象的な私の取材記だったのです・・・。

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取材後記

実に深い・・・味わいある大人の嗜みに溢れる名車の取材〜リサーチ〜執筆に心躍った体験をさせて頂けた事にオーナー様に感謝の念が尽きません・・・。オーナー様の車との向き合い方を通じて、改めて、しっかりとレストアが施された味わい深い名車を普段使い駆るのは、何とも味わい深い物と感じた次第です。

仕上がるプロセスを楽しみ、仕上った車を味わうものの、増え過ぎたガレージ内の車両の整理が必要との事で今回の出品依頼となったのですが、「是非デイリーユースとして普段存分に乗って頂けるお方に繋いでいきたい」・・・とおっしゃいます。

保存状態の良い個体をレストアし、深い味わいを存分に楽しめる所まで仕上がった

希少なネオ・クラシック・・・。一味も二味も異なるラテンの血が流れるボルボの真髄を是非味わってみてはいかがでしょうか。

是非見学にお越し下さい。造詣深いオーナー様のお話しはきっと同じ感性を持つお方同士、素晴らしい時間を共有頂ける事と思う次第です・・・。

 

▲この大変素晴らしい「1979年式 ボルボ262C ベルトーネクーペ」は現在、茨城県にあります。

個人間売買のため消費税・諸費用等はかかりませんが、月割自動車税、リサイクル預託金のみご負担をお願い致します。また陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたします。

【お問い合わせに際して・・・】

このページの車両は、ヒストリック・カー、コレクタブル・カーの越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。

至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは、

エステートセール®︎スプレマシーは、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿作成でご紹介し、物・心を整理する、北米文化エステートセールの日本版です。

文化も、次の世代への引き継ぎも、何も残らない、二束三文・安値買取とは全く異なり、オーナー様の想いを実直に表現、思い出は、心にしっかり残しながらも、確実に次の世代に引き継ぐ、ご案内・仲介をいたします。

記事内容は筆者が3時間程度の取材時間の中で、オーナー様のコメントと、見聞したものを元に作成したものです

非常に限られた時間内での確認につき、状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります事ご承知おき下さい。

また執筆内容に関しては、念入りな海外・国内リサーチを含めて、オリジナルの原稿を執筆しておりますが、現地に赴くなど、裏づけを全て取ってはおりません。 状態等のコメントも、あくまで取材時の天候、状況及び、筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。

掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。

何卒宜しくご検討下さい。

スペック

車検

令和4年9月

走行

72000km(2023年5月時点表示)

レストア

レストア済み車両

ハンドル

左ハンドル

バッテリ

長さ

4900mm

1710mm

高さ

1380mm

重量

1420kg

排気量

2660cc

出品地域

茨城県