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1991年式

ポルシェ 928 S4

車両の細かな状態は写真毎に説明があります

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あのデザイン革命から早40年・・・自動車史を変えた
ネオ・クラシックを今日乗りこなすのはクール以外
何物でも無い事・・・!17年間連れ添い、オーナー様との意気投合感が素晴らしい熟成期91年式928 S4は、次の進化が楽しみな
一台・・・!

今となっては考えられませんが、ポルシェ928は、911に取って代わるはずだったクルマです・・・。これを読まれる諸賢の方々には周知の事ですが、幸いにもそれは実現しませんでした・・・。

今日仮に・・・、象徴的存在にまで進化したポルシェ911を、「フロントにV8エンジンを搭載したグランドツアラーに置き換える・・・」という考えを、声に出して言えばどうなるだろうか・・・と悪戯に思うところですが、70年代後半に、まさにそれが計画され実行されたのです・・・!

1960年代後半までに、ポルシェは高性能スポーツカーのメーカーとしての地位を確立していましたが、1970年代のオイルショックの影響を受けた911シリーズ販売不振は、ポルシェの経営を震撼させ、オーナーのフェルディナンド・ポルシェ氏を含む経営陣は、当時のフラッグシップモデルである911のポテンシャルが限界に達しているという懸念から、会社の将来は「飛び抜けたスポーツカー」ではなく、「グランドツーリングカー」にあると結論付け、急速に進む1980年代を生き抜くための先駆的なフラッグシップモデルとして、革新的デザインと最高峰の技術を詰め込み、グランドツアラーである928を開発しました・・・。

ボディは、アナトール・ラピーヌの指導の下、ウォルフガング・メビウスがデザインしたもので、メインは亜鉛メッキ鋼板製ですが、ドア、フロントウイング、フロントフェンダー、ボンネットは軽量化のためアルミ製で構成されます・・・。

911には存在しなかったラゲッジスペースも大きく確保・・・、大きく開くハッチバックからのアクセス可能としました・・・。またスチール製バンパーがまだ当たり前の時代に、当時目を見張った新開発のポリウレタン製弾性バンパーは、ノーズとテールに美しく組み込まれ、ボディと同色で塗装され、見た目の美しさと空気抵抗の低減に大きく貢献・・・。加えて最も特徴的な、ポップアップ式ヘッドランプがフロントウイングに組み込まれましたが、これはランボルギーニ・ミウラの機構をベースに考案された物だったのです・・・。

928はまた、計器類の視認性を最大限に確保するため、メータークラスター全体が、調整可能なステアリング・ホイールとともに移動するという世界初の技術を取り入れ、他にも、旋回中のブレーキング時の安定性を高める為、機械的パッシブに後輪操舵を2度行う、世界初後輪操舵システム「ヴァイザッハ・アクスル」や、軽量化と高い耐久性を実現した新設計全合金製M28型V8エンジンを搭載するなど、非常に高い技術と革新的アイデアの結晶として生み出されました・・・。

911に取って代わる為の初めての水冷V8エンジンの開発・・・。持てる技術を惜しげもなく投入して開発された“全合金製M28型V8エンジン”は、複数の特異な特徴を持っています・・・。ボア間隔が122mmもあるのは、厚いアルミ製のシリンダーバレルを使い、鋼鉄製のライナーを用いない事で成り立ちます・・・。その為ウォータージャケットは非常に大きく、これはポルシェがこのエンジンをレースでも使用することを想定していたと言われており、さらにボンネット・ラインを低く保ち、空気抵抗を減らす目的から、エンジンはエアフローを優先して設計されており、スパークプラグはヘッド上部に配置され、ベアリング自体は、大型のロアブロック一体構造で支持され、この部分にアルミ鋳造のオイルパンがボルトで固定されるという、ユニークなアイデア満載のものでした・・・。

これら928にかけるポルシェの設計と開発の努力は、ヨーロッパ主要メーカーのハッチバック、セダン、サルーン・カーが主流のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、BMW 7シリーズなどの高級セダンを抑えて1978年にグランプリアワードを獲得します・・・。実はこのアワードで、グランドツアラーがグランプリを獲得したのは、後にも先にもポルシェ928だけ・・・!この事実は、如何にポルシェ928が先進的・革新的であったかを証明するものです・・・。

メーカーの維新をかけて開発されたポルシェ928は、あまりにも高額な販売価格ゆえ、販売台数においては“大ヒット作”とはならないまでも、ここまでのポルシェの作り込みとデザイン的革新は、全世界で熱狂的なファンを獲得するのに十分なものでした・・・!

その後18年間にわたり1995年まで生産されたポルシェ928・・・。あれから40年近く経った今日、後世の自動車デザインに大きく影響を与えた名車として・・・今、新たにネオ・クラシックとして世界中の注目を集める存在にまで昇華したのです・・・。

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17年間にわたる928との蜜月は、“クルマと人との絶妙な関係性”を生み出した・・・。愛情たっぷりに接してこられたオーナー様と
91年式ポルシェ928 S4・・・。

こうして日々希少なクルマを取材〜執筆活動していますと、不思議に思うことが多々あります・・・。

様々な事情から手放す事を決意された筈なのに・・・、インタビューしていると我が子の事の様に目をキラキラ輝かせて、手放す雰囲気など全く無く、笑顔満面に愛車自慢頂くオーナー様達・・・。

貴重な個体を元気に走らせる為、走行中は音楽など皆無・・・。車の発する聞き慣れない異音に耳をすまし不具合を神業的に事前に察知・・・。国内にパーツがなければ、ネットを駆使して海外までパーツを収集・・・。ご自身で可能な限り手を入れるも、対応出来ない部分はメカニックに依頼・・・。そのメカニックに預けている間は、我慢の日々を悶々としてやり過ごす・・・。そんな苦労の連続で長年我が子の様に大切にされ、今まさに絶好調の段階で手放すことを決意される・・・。

今回の928に並々ならぬ愛情を注いでこられたオーナー様も、まさにこの様なエンスージアスト様でいらっしゃいます・・・。

91年式の特徴としては・・・1シリンダーあたり4バルブを備えたS4としての最終型・・・。エアインテークを備えた丸みのあるフロントエプロンが印象的かつワイドになったテールライト・・・、そしてボディから分離された大型リアスポイラーが、見る者の視線を引きつけ、さらにM28型エンジンが5.0リッターDOHCと進化・・・、最高出力320PSを誇った熟成期のモデルです・・・。

「サーキットの狼」世代のオーナー様・・・。劇中に登場したポルシェ928に少年時代の心を奪われ「いつかは必ず・・・」と誓われたとお話しして下さいました・・・。その後2005年に大病されたことがきっかけとなり、“後悔しない人生を・・・”との気持ちで探しに探し、エンジンの吹け上がりがダントツに良かったこの91年式ポルシェ928を、とあるポルシェ専門店から購入されます・・・。

それから17年間・・・。近距離〜遠距離ドライブはもちろんながら、ある時期には往復150kmの高速道路を利用した通勤にも使用・・・、現在までに28万キロを走破されてこられましたが、それはポルシェ928のクルマとしてのクオリティを存分に味わう事ができる“大変羨ましい乗り方”でおられ、コレクションとして飾っているだけでは絶対感じられない、分からない部分であり、ともすれば「故障すれば大変・・・」と普通は考える部分をものともせず・・・!消耗部品をことごとく交換しな、928と向き合い、独特の感性をクルマと共に磨いてこられた・・・と感じ、その姿勢に敬服するほど深いメッセージを頂く取材をさせて頂いたのです・・・!

 

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何もせずに乗っていられるクルマではありません・・・消耗品を
交換し、耳を傾けじっくり乗っていると・・・クルマが具合の悪いところを教えてくれる・・・そんな感覚があります・・・。

まめなオイル交換、ブレーキパッド交換、そしてATF交換などはご自身でなされるオーナー様・・・17年間で信頼できる各地の専門店と良好な関係を築いてこられた事を、過去の修理履歴・整備記録など数十枚に及ぶ整備の記録と共に語って頂きました・・・。

夏場のエアコンを良く効かせる為に、ヒーターバルブの温水を強制的に遮断するデバイスをご自身で工夫して装着されたり、時折補充が必要なACガスを補充しやすいようにエクステンションパイプをエンジンルームに設けたり、雪のシーズンは乗らない為、バッテリーのカットオフスイッチを設けたりと、より快適に乗れる為の工夫も随所に見られます・・・。

取材中大変印象に残ったお言葉が・・・「何もせずに乗っていられるクルマではありません・・・消耗品を交換し、耳を傾けじっくり乗っていると・・・クルマが悪いところを教えてくれる感覚がだんだん芽生えてきました・・・。928は車としてのクオリティが本当に素晴らしい・・・!クルマは飾って置くものではないので、その様な向き合い方をしていると、この様な走行距離にまでなりました・・・。」とおっしゃった事です・・・。

またはっきりと「海外のサプライヤー含めてパーツの心配は一切ありません・・・」とおっしゃって頂いたのも、深い向き合い方をなさってこられたからこそ発せられる一言と感じた次第です・・・。

17年間で数十枚におよぶ整備の記録と修理の記録の数々・・・。車を気持ちよく走らせたいお気持ちから、アライメント調整を頻繁になさっておられるのが印象的でした・・・。

消耗品類の妥協なき交換とこの様な車との向き合い方の恩恵で現在調子は絶好調との事・・・。

一切の妥協なく乗ってこられた証として外観に飛石痕は散見され、写真でご覧頂けるようにフォグランプにも飛石によるクラックが見られますが、それら直そうとすればいつでも直せる部分がこの個体の「味わい」に見える程、十分に知り得た個体は、オーナー様のお心を反映し非常に魅力的に映った次第です・・・。

消耗品交換の数十枚に及ぶ記録は、是非実写見学時にご確認ください・・・。

尚、内装写真に写る、CDチェンジャーとナビゲーションは取り外してお渡しいたします事、夏タイヤは付属しない事ご了承ください。

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1991年式ポルシェ928 S4 取材後書き・・

取材場所は高速サービスエリアの隣接した公園・・・紅葉が見事な公園を一歩出ると、そこはクルマ好きなら皆心躍る適度なアップダウンを含む峠道でした・・・。動画のカメラを片手に助手席に・・・オーナー様のドライブで928のドライブを取材時に堪能させて頂く事ができたのです・・・。

アウトバーンを疾走する928のイメージは容易に想像するも、タイトなコーナーが続く、日本ならではの峠道をオーナー様のポルシェ928は、マッシブなイメージを一切感じる事なく、まさにヒラリ・・・ヒラリと素晴らしい身のこなしで進みます・・・!

「928のV8エンジンはフラットな特性・・・アクセルペダルの真裏にエンジンがある感覚で、コントロールが実に楽しい・・・!」とはドライブ中のオーナー様の歓喜のお言葉・・・!17年間夢中で向き合われた真意を汲み取らせて頂きました・・・。

「あのデザイン革命から早40年・・・自動車史を変えたネオ・クラシックを今日乗りこなすのはクール以外何物でも無い事・・・!17年間連れ添い、オーナー様との意気投合感が素晴らしい熟成期91年式928 S4は、次の進化が楽しみな一台・・・!」

今日世界中が注目するネオ・クラシックとして昇華したかつてのポルシェ928のイメージ・・・、あのデザイン革命から40年近く経過した今、ポルシェ928 S4はかつてないほど美しく、現代のほとんどのクルマの存在を凌駕する存在です・・・。

愛情いっぱいに注がれた個体・・・。驚愕のメンテナンスリスト・・・。

オーナー様の向き合い方に共感できる素敵な見学に長野県まで是非お越し下さい。

この「1991年式 ポルシェ 928 S4」は現在、長野県にあります。

▲本車両は、個人様からの出品依頼ですので、消費税や諸費用等はかかりませんが、自動車税月割計算並びにリサイクル預託金精算が別途必要となります。

搬出並びに陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の業務でも、クラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。

【お問い合わせに際して・・・】

このページの車両は、クラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。

至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは

エステートセール®︎スプレマシーは、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿作成でご紹介し、物・心を整理する北米文化エステートセールの日本版です。

文化も・・・次の世代への引き継ぎも・・・何も残らない二束三文・安値買取とは全く異なり、オーナー様の想いを実直に表現、思い出は心にしっかり残しながらも確実に次の世代に引き継ぐご案内・仲介をいたします。

過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。

本記事内容は2022年11月8日11時より、晴天下約3時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビューと頂いた資料、また試乗体験したものを元に執筆作成したものです。

限られた時間内での確認につき、状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります事ご承知おき下さい。

また執筆内容に関しては、念入りな海外・国内リサーチを含めてオリジナルの原稿を執筆しておりますが、現地に赴くなどの裏づけを全て取ってはおりません。状態等のコメントもあくまで取材時の天候・状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。

掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込は、このページの一番下よりご連絡下さい。

尚、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。

何卒宜しくご検討下さい。

スペック

車検

令和5年8月

走行

286172km 取材時表示

備考

ミツワ正規輸入車

車体番号 WPOZZZ92ZMS801174

型式 E-928

原動機の型式 M284

初年度登録平成3年11月

左ハンドル

4速AT

ノーマル車

レストア履歴無し

長さ

4510mm

1840mm

高さ

1330mm

重量

1630kg

排気量

4950cc

出品地

長野県

取材日

2022年11月8日