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1963年式

ロータス・エラン 1600 シリーズ1 Type 26

↑↑↑上記アーカイブ動画、是非音声ありでご覧ください・・・。

20年という歳月と膨大な投資で、走りが究極に楽しいロータス・
エラン1600・シリーズ1は熟成を極めた・・・! 極初期シリアル#
26/0112を持つ個体は、フルオリジナルの姿も美しい、
乗って楽しい・眺めて嬉しい至高のエランだった・・・!

第一章
これぞクラシック・ロータスの極み・・・! チャップマンの思想
そのものを表現したタイプ26・シリーズ1のロータス・エランに
乗るという幸せ・・・。

発売から60余年が経過し、当然のことながら今まで、誰が何処で・どの様に手を入れてきたか・・・

この来歴と明確なヒストリーが、現在の状態を大きく左右するのがクラシック・カーの常・・・。

特に他のプロダクション・カーとは明らかにその出立が異なる、一種特異な“クラシック・ロータス”となれば尚のことこの要素が最も重要な要素になることでしょう・・・。

匂いでさえ異なるクラシック・ロータス特有・・・、とりわけチャップマンの思想哲学が面白い程味わえる、深い魅力にどっぷりとのめり込み、ヨーロッパをはじめとした数台をレストア〜レストモッドした経験を持つ筆者ですが、特殊な形状のバックボーンフレームにFRPボディを被せたクラシック・ロータスでは、個体の状態が最も顕著に現れるのは、間違いなくその「走り・・・」だと明確に思います・・・。

このシリーズ1・・・、極初期型エランの特徴は、利便性が追求される前の豪華装備が一切ないモデル・・・。

“巻き上げ式”ではなく“引き上げ式”のサイド・ウインドウをもち、ホロもサイド・フレームから外してトランクにしまうという方法で、今思えばなんと斬新な手法なことか・・・。

シンプルで飾り気の無いオリジナル・ウッドパネルに魅力を感じつつ、ドア下りがないかどうか入念に確認しながら、それでもドアハンドルを持つドアを開けて、エランといえども足から入る独特のロータス・ライドから着座位置が極めて低いシートに身を預けて、いかにも「クルマに合わせろ・・・」と言わんばかりに少し中央にオフセットしたポジションに収まると、そこにはもう「あぁ・・・これだ・・・。」と溜息が出る、ベリーシンプルなシリーズ1ロータス・エランの世界観で溢れた景色が広がります・・・。

完全コールド状態からも、良くセッティングされた・・・、これもオリジナルのツイン・ウエーバー・キャブレターの恩恵で、チョークなど全く不要とし、クランキングと同時に安定したアイドリングに移行するオリジナル・ロータス・ツインカム・ユニットに驚愕し、オイルが十分にまわったことを確認した後アクセルを煽ると・・・、目の前のスミス製レブカウンターの針は、実にレスポンスよく吹け上がり、スチール製エキゾースト・システムが奏でる心に響くマイルドにミッドレンジがブーストされたサウンドとは裏腹に、少し振幅を持って揺れるのも素敵な味わいの部分・・・。

「どうしたらここまでカチカチと動くのだろう・・・。」と思わず考えるほど、実に気持ちよく短いストロークで操作する4速マニュアル・シフターを、手首のみで“カチッ”と奥に押し込み、軽いクラッチを程よくミートするだけで、超軽量ボディはスゥ〜と前に・・・。

そしてそこからは・・・、この世のものとは思えない、超絶魅力的なシリーズ1・ロータス・エラン・ライドが間違いなくドライバーを心から笑顔にしてくれるのです・・・!

ここからの「走り・・・」のレポートは第三章筆者の後書きをお楽しみに・・・!

その前にこの26/0112、シリーズ1エランには、お伝えしたい事実がたくさんありますので、ここからもじっくり本稿お読み頂ければ幸いです・・・。

1960年台・・・。

メルセデス・ベンツの様な大企業が、計画的にレースに出て市販車の魅力をアピールするのとは対照的に、小規模なフォーミュラー・カー専門コンストラクターであったロータスは、レースでの好成績から資金を獲得し、それを元資に時折市販車を作ると言う、全く真逆の視点からロード・カーを極めて少数生産するというメーカーでした・・・。

それは当時のエランの広告にも面白く表現されており、1964年「Road & Track」誌上では、「すべての人を満足させるクルマを作ることは不可能だから、むしろ少数の人に強烈に訴えるクルマを作る・・・」というコピーを堂々と掲げ、さらに同年の別広告では、「アパートの前に停めて見せびらかすためのクルマを探しているなら、これは違う・・・」とはっきり言い切り・・・、その一方で、ロータス23Bと同系統のツインカム・エンジン搭載、コーナリング、ブレーキング、ハンドリングといった“走りの本質”を前面に押し出し、最後には「このエランはエンスージアストの為だけのクルマです・・・。」と明確に位置付けていた程です・・・。

この様にロータスは、レーシング・コンストラクターとして積み上げた実績と技術そのものを最大の広告塔として、「分かる人にだけ分かればいい・・・」という潔い姿勢でロードカーを世に送り出しており、実際にロータスを手に入れる事が出来た、当時の限られたエンスージアストに、極上のドライビング・エクスペリエンスをもたらしていたのです・・・。

面白いですよね・・・!

そんな稀有な史実を背景に、60余年後の今、ビンテージ・ロータスに触れるたび、「当時よくぞこのクルマを市販車として作ったものだ・・・!」と驚かずにはいられません・・・。

当時さながらの姿を大切に残しながら、各部にしっかりとレストアの手が入り、美しく仕上げられたクラシック・ロータスに触れることは、他のプロダクション・カーに触れるのとは明らかに異なる「特別な体験」が間違いなくあるのです・・・。

それは、過ぎ去った時代の美学を、まるでタイムマシンのように体感できる、所有する者だけに与えられた特権とも言えるもの・・・。

1960年代英国のエンジニアリング・・・、造形・・・、そしてまるでレーシングマシン的な独特のフィーリングが凝縮された一台を通して、天才コーリン・チャップマンが追い求めた美学と哲学そのものに、時代を超えて直接触れることができる貴重体験そのものなのです・・・。

開発プロジェクト“M2”から生まれた“タイプ26”がエランのコードネーム・・・。

1962年10月、ロンドン・アールズコート・モーターショーで発表されたロータス・エランは、コーリン・チャップマンの「単純化して、軽さを加える」というレース・フィールドでの思想を、市販スポーツカーとして極めて純粋な形で具現化した一台です・・・。

その誕生を理解するには、先代タイプ14・ロータス・エリートまで遡る必要が少しあります・・・。

フルFRPモノコックという当時としては驚異的な構造を採用したエリートは、軽量かつ高剛性というロータスらしい革新的なクルマでしたが、複雑な成形工程ゆえ生産コストが高く、ロードカー事業としては十分な利益を生み出すことができませんでした・・・。

そこでチャップマンとデザイン&開発を担ったロン・ヒックマンは、エリートの軽さと運動性能を失うことなく、より現実的に量産できる新しいロードカーを模索します・・・。

当初はエリートの後継車としてFRPモノコック構造も検討されましたが、サスペンションやパワートレインをテストするため、チャップマンが薄鋼板を折り曲げた一本のバックボーン・シャシーをスケッチします・・・。

本来は試験用に過ぎなかったその構造が、軽量でありながら十分なねじり剛性を持ち、しかもその上からFRPボディを被せれば、複雑で高価だったエリートのモノコック構造を使わずに理想的なロードカーが成立することが判明・・・。

こうして中央のボックス・セクションから前後へフォーク状に伸びるスチール製バックボーンに、荷重をほとんど受け持たない軽量FRPボディを組み合わせる、後のロータスを長く象徴する構造が誕生しました・・・。

このシャシーに組み合わされたのが、フォード116E系5ベアリング・ブロックをベースに、ハリー・マンディらが開発したDOHCヘッドを載せたロータス・ツインカム・ユニットです・・・。

テスト段階では、1499cc仕様がロータス23Bに積まれ、1962年のニュルブルクリンク1000kmでジム・クラークによって実戦投入された程・・・、まさに軽量レーシングカー用として開発されたエンジンなのです・・・。

そのレーシング・エンジンそのものをフロントに搭載し、4速マニュアルを介して後輪を駆動・・・。

さらに前後独立懸架・・・、ラック&ピニオン・ステアリング・・・、リアにはロータス独特のチャップマン・ストラットを採用し、駆動シャフトには当時ワークスF1でも使われた思想を汲むラバー・カップリングを用いるなど、まさにこれぞロータス・・・!というフォーミュラ・カーの技術を公道へそのまま持ち込んだ内容だったのです・・・!

こうして1962年に完成したエランS1・タイプ26は、FRPボディとバックボーン・シャシーによって車重は600kgを切るほどに・・・。

初期の1499ccから間もなく1558ccへ拡大されたロータス・ツインカムは100bhp級の出力を発揮し、絶対的なパワーに頼るのではなく、徹底した軽さとしなやかなサスペンション・・・、低い重心・・・、極めて小さな慣性によって驚異的なロードホールディング性能を実現・・・。

ロータス自身が現在もエランを「1960年代を代表する純粋なドライバーズ・カー」と位置付けている理由は、まさに当時のロータスのプロダクション思想と、それを率いた天才コーリン・チャップマンの設計哲学そのものなのです・・・!

そしていよいよ・・・。

今回のご紹介の一台は、そのタイプ26の中でも極めて初期に位置する1963年式エラン1600・シリーズ1、シャーシNo.26/0112・・・。

2005年に並行輸入で日本に来た後、20超年に渡り、一人のオーナー氏がありったけの情熱と膨大な投資を注ぎ込み、ただ一つの専門工場でオリジナルを残しながら熟成を極めたシリーズ1・・・。

シリーズ2以降ではロードカーらしい快適性や実用性が追加されていくのですが、まさにそれ以前の、細身で華奢なボディ・・・、シンプルな内装・・・、軽量な構成・・・、そして“何も余計なものを持たない”チャップマンの哲学そのものである、初期エランの思想を美しくも色濃く残す個体として素晴らしくレストアが施された一台・・・。

まさに現在ではあり得ない作り方で、当時コーリン・チャップマンが思い描いた「軽さこそ性能」という哲学そのものを、60年以上経った現在、直接体感することができる超希少な一台なのです・・・!

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第二章
  当時さながらのオリジナルの姿が美しい、機関絶好調の一台の詳細を、
20年超年間同じ工場で整備された、40ページに及ぶ膨大な記録から
読み解く・・・!

「綺麗にレストアされた・・・。」という一言では到底説明がつかない驚愕のオリジナルが残る一台など、そうそう観るものではありません・・・。

オリジナル塗装が残る外装はFRP独特の「肌荒れ」が熱を受けるエンジンフード上に少しみられるのみという驚愕の状態・・・。

内装から細部のディテール・・・、一見綺麗に見えるホイールに関してもNOS復刻ではなく「当時のオリジナル」がそのまま残るシリーズ1・26/0112・・・。

そうして仕上げられた乗り味は、今まで体感したどのエランよりも素晴らしく、この個体に乗るたびに、「どの様に手が加えられて来たのだろう・・・」と思わずにはいられませんでした・・・。

そして・・・その答えはこの個体に付属する2005年の国内新規登録以降、2025年まで20年間に及ぶ、40ページに及ぶ膨大な作業明細書に答えがあります・・・。

この第二章は少し長くなりますが、どこをどう直したを時系列で記載するだけでなく・・・、その内容を詳しく読み取って20余年間の背景を探って行きたいと思います・・・。

英国レジストリーナンバー“654 CGT”を持つ、シリアル#26/0112、ロータス・エラン・シリーズ1は、2005年に英国から並行輸入され国内新規登録され、その翌年からほぼ一貫して、北関東の老舗ヴィンテージカー専門ガレージへ入庫し続けています・・・。

残された資料を年代順に追っていくと、この個体が、ある時点で一気に新車同様へ作り直されたレストア車ではないことがよく分かります・・・。

むしろ、その車が生きてきた時間や履歴を尊重し、製造当時の構造やオリジナルの部品を可能な限り残しながら、走らせる中で現れた問題をその都度見極め、必要な箇所だけに確実に手を入れるという整備が20余年間積み重ねられてきた個体ということが紐解けるのです・・・。

不具合が出れば単純に新しい部品へ置き換えるのではなく、修理できるものは修理し、再生できるものは再生し、必要であれば加工やオーバーホールを行いながら、少しずつ完成度を高めて次の段階へ進む・・・。

そうした工程を長い年月をかけて重ねてきたからこそ、現在のこの26/0112には、1963年当時の姿や空気感が濃く残りながら、実際に走らせれば驚くほど調子良く、クラシック・ロータス本来の乗り味をしっかりと楽しめる状態が成立しており、現在の素晴らしいエンジン始動性・・・、安定したアイドリング・・・、軽い操作感のクラッチ・・・、小気味良く入る4速シフト・・・、しなやかな足回り・・・、そして何より筆者が驚いた「めちゃくちゃエランらしい乗り味・・・」は、まさにこの長い整備履歴の結果だと思う次第です・・・。

 

  • 2006年 国内での本格的な仕上げが始まる・・・。

 国内登録から間もない2006年、まず行われたのは、これから実際に乗って楽しむための基本的な仕立て直しでした・・・。

まずスチールホイールには錆が見られたため、4本すべてを一度処理し、錆を落とした後にプライマーを入れて再塗装・・・。その後ホイールバランスまで調整されています・・・。

 

  • 2007年 現在の心臓部を作った一年間のエンジン・フルリビルド実施・・・。

 

この個体の整備履歴において、最も大きな転機となったのが2007年です・・・。

2006年9月に入庫し、完成は翌2007年9月・・・。

ほぼ丸一年をかけて、エンジンを中心とした大規模な作業が行われました・・・。

当時エンジンには、オイル上がりによる白煙が見られたのですが、それをきっかけに、エンジンを車体から降ろし、トランスミッションも脱着した上で完全分解され、オーバーホールが実施されました・・・。

分解後は、シリンダー、クランクシャフト、コンロッド、メインベアリング、ピストン、シリンダーヘッド、カムシャフトなど各部を測定・・・。

さらにヘッドボルト2本の折損も確認され、その処置まで行われています・・・。

クランクシャフトは検査・測定後に研磨され、バランス確認と調整まで実施・・・。

シリンダーはボーリングとホーニングが行われ、ブロック上面、シリンダーヘッド下面、オイルパン合わせ面なども平面加工されています・・・。

シリンダーヘッド側も、バルブガイド、バルブシートを交換し、シート研磨、バルブ摺り合わせ、組み付け、クリアランス調整まで実施されています・・・。

ピストンは83.65mmサイズへ交換され、メインベアリング、コンロッドベアリング、カムベアリング、スモールエンドブッシュ、ジャックシャフトベアリング、スラストメタル類も更新されています・・・。

カムシャフトも交換され、吸気側にはビッグバルブが組み込まれています。吸排気バルブ、バルブガイド、バルブシート、リテーナー、タペットシムまで細かく手が入り、それぞれのシム寸法まで記録に残されています・・・。

タイミング系ではチェーン、テンショナー、ダンパー、各ボルト類が更新され、ウォーターポンプ、サーモスタット、オイルポンプなど潤滑・冷却系も同時に手が入っています・・・。

ガスケットやオイルシール類も一式交換され、フロント、リアのクランクシール、カムカバー、タイミングケース、エキゾースト周辺に至るまで、この段階でほぼ全面的にリセットされています・・・。

さらにエンジンをただ組み上げるだけではなく、シリンダーブロック、シリンダーヘッド、タイミングカバー、ウォーターポンプハウジング、オイルパンまで塗装され、外観も美しく仕上げられています・・・。

これは読み解く限り単純な「エンジンのオーバーホール」ではなく、オリジナルのブロック、クランク、ヘッドを残しながら、その内部を一度完全に作り直した本格的なリビルドであることがわかります・・・。

現在エンジンルームを開けた時に感じる、あの美しい機械としての佇まいは、この時の仕事が基礎になっているのでしょうね・・・。

 

  • ウエーバー40DCOEも同時に仕上げ直され、点火系もオーバーホール。

エンジン本体をここまで仕上げれば、当然キャブレター側もそのままにはされていません・・・。

2基のウエーバー40DCOEは分解してオーバーホールされ、エマルジョンチューブ、エアージェット、アイドルジェット、メインジェット、34mmアウターベンチュリーなどを使ってセッティングが行われています・・・。

またこの時ディストリビューターも脱着、分解、給油され、点火時期とキャブレターバランスを再調整しています・・・。

今回筆者が完全コールド状態からエンジンを始動した際、クランキングとほぼ同時にツインカムが目覚め、安定したアイドリングへ移行したことには驚かされましたが、その背景には、この時にエンジン本体だけではなく、燃料と点火まで一体で仕上げられたベースがあることだからでしょう・・・。

さらに燃料ポンプはこのタイミングで電動式へ変更されています・・・。

トランク側に専用ブラケットを製作して取り付け、新規配線、ヒューズ、燃料ホースなども一式で施工されています・・・。

ここはオリジナルとは少し異なる部分ですが、実際に走らせることを前提にした信頼性向上のための改良ということで好感が持てる部分です・・・。

ドライブシャフト周辺についても、この時に左右を分解し、ラバー・カップリング4個を交換しています。ロータス独特の駆動系を良好な状態へ戻すための作業であり、この部分は後年にも再び整備されることになります・・・。

 

  • 2008年 リビルドしたエンジンを実走しながらさらに詰める。

 大規模リビルドから約一年後、今度は実際に走らせる中で現れた細部の問題へ手が入ります・・・。

エンジンフロント側からのオイル漏れが確認され、シリンダーヘッド、オイルパン、タイミングケースまで再び脱着。オイルラインのねじ部やクランクリア側のシールなどを修正し、上下ガスケットも交換されています・・・。

この時またオイルポンプも強化型へ変更されています・・・。

これは一度組んで終わりではなく、組み上がったエンジンを実際に使いながら、漏れや弱点を見つけてさらに詰めていることを示す重要な履歴です・・・。

同時にフロントサスペンションのガタも確認され、左右アッパーボールジョイントを交換・・・。

ダッシュボード上部のひび割れ、固定部、浮きなども修正され、トノカバー用フックの追加、ステー補強、モール製作など、車体側の細部も手が入っています・・・。

 

  • 2009年 エランに多いドア周辺と電装の修正。

 2009年には左右ドアの下がりへ手が入ります・・・。

運転席ドアを外したところクラックが確認され、接着修理を行った上で左右ドアを再調整・・・。

サッシも脱着し、ガラスが下がってしまう症状に対してゴムレールを交換しています・・・。

このようなFRPボディを持つクラシック・ロータスでは、ドアの状態は個体の扱われ方や車体のコンディションを判断する上でも非常に重要な部分です・・・。

このタイミングでバッテリーも交換され、ホーン、配線、アンテナ穴などの細部も修正・・・。

エンジン不調については、ディストリビューター固定部の割れまで突き止め、修理後に点火時期を再調整しています・・・。

 

  • 2011年 細部の作動感をさらに整える。

2011年にはボンネットロックのスプリング交換、ダッシュパネル固定部の修理、メーター照明の改善などが行われます・・・。

メーター照明については単にバルブを交換するだけではなく、一度メーターを外し、内部へ光を導くためのステーや反射板まで製作して調整されています・・・。

またこの時、左右エンジンマウントも交換されていることも確認出来ます・・・。

交換後にエンジンとボンネットの位置関係まで確認し、干渉が出たためボンネット側も調整・・・。

こういった小さな作業を一つひとつ追っていくと、実際に所有して使う上で気になった部分を長い時間をかけて仕上げてきたことが分かります・・・。

 

  • 2014年 下回りと駆動系を大きく見直す。

 2014年には車検整備と併せて、下回りと駆動系へかなり広範囲な手が入っています・・・。

エンジンオイル、フィルター、クーラント、ブレーキフルード、ミッションオイル、デフオイルを交換し、エンジンルーム、足回り、ステアリング系、ブレーキ、マフラーなどを一通り点検・・・。

ブレーキパッドについてはフロント、リアの残量まで記録されています・・・。

そして、この時再びドライブシャフトのラバー・カップリングに劣化が確認され、左右ドライブシャフトを外して4個すべて交換されています。取り付けボルト、ナット類も多数新品へ変更されています・・・。

また左リアから発生していた異音も徹底的に追い、ブレーキ、ハブ、サイドブレーキ、ディスク周辺まで分解・点検し、必要部分へ給脂しています・・・。

約7年前に一度交換した部品だからそのままにするのではなく、経年劣化する部品は再び交換する・・・。

この当たり前のことを確実に続けてきたことが、この車の記録から何度も読み取れます・・・。

 

  • 2017年 ドアとスターターを再び仕上げる。

 2017年には左右ドアの下がりを再調整しています・・・。

ドアトリムを外し、ヒンジ、ストライカーを左右とも調整・・・。

そしてスターターが時折空回りする症状については、スターターモーターを外して分解し、オーバーホールしています・・・。

クラシックカーの場合、調子が悪くなれば新品の現代部品へ丸ごと交換する方法もありますが、このエランでは可能な範囲で当時の機構を残しながら修理していく姿勢が一貫しています・・・。

ここで同年末には「ブレーキが抜ける」という症状が発生します・・・。

点検の結果、ブレーキマスターからのフルード漏れが原因と判明し、マスターAssyを交換。ブレーキラインのエア抜き、周辺洗浄まで行われています・・・。

同時にバッテリーの補充電、カットオフスイッチ周辺のアース点検、フレーム側アースポイントの研磨まで実施され、電装系の基本部分も詰め直されています・・・。

 

  • 2019年 煙の原因まできちんと突き止める。

 2019年にはクーラント漏れによるエンジンルームから煙発生に対応しています・・・。

ヒーターホースの接続部から漏れたクーラントがエキゾーストへ落ち、それが蒸発して煙となっていたもので、原因を特定した上でホースクランプを締め直し、漏れは改善しています・・・。

同時にエンジンオイル、冷却水、ブレーキフルードを交換し、ブレーキマスター、クラッチマスターの外部漏れも点検されています・・・。

 

  • 2021年 冷却系と点火・キャブレターを再調整。

 2021年には冷却水漏れが確認され、ラジエーターロアーホースを交換・・・。

もちろんクーラントも入れ替えられています・・・。

同時にエンジンオイルを交換し、コンタクトポイント調整、イグニッションタイミング調整、キャブレターバランス調整を実施・・・。

2007年のフルリビルドから時間が経過しても、単純に油脂類だけを交換するのではなく、ツインカムとWeberを本来の調子で動かすための調整を継続していることが分かります・・・。

 

  • 2023年 ブレーキホースを全数交換。

 2023年初頭には「ブレーキが効かない」という症状が発生・・・。

点検すると右フロントブレーキホースからフルード漏れが確認されました・・・。

ここでも不良箇所一本だけを交換して終わらせることはされず、フロント左右、リア左右のブレーキホースをすべて交換し、カッパーワッシャーも更新・・・。

ライン全体のエア抜きを行い、ブレーキフルードとクラッチフルードまで交換しています・・・。

この時同時にデフオイル、トランスミッションオイルも点検・・・。

古い部品を部分的につぎはぎするのではなく、同じ年月を経た関連部品はまとめて更新するという考え方がここにも現れています・・・。

そのわずか数か月後には、今度は走行時の振動が発生します・・・。

低速時に特に感じる振動をロードテストし、右リアタイヤのトレッド面に亀裂を発見・・・。

原因をタイヤと判断し、Michelin Classic 145R13を4本すべて交換しています・・・。

当然、エアバルブ、ホイールバランス、空気圧まで一式で調整され、交換後には再びロードテストを行って症状が解消したことまで確認されています・・・。

現在装着されているクラシカルなミシュラン製タイヤは、この時に更新されたものです・・・。

  • 2025年 現在の絶好調な状態へ仕上げた最新整備。

 最新の大きな記録が2024年末から2025年2月にかけて行われた車検整備です・・・。

この時にはスターター・オーバーホール、オイル焼け臭対策、油脂類の点検、クラッチ系、デフ周辺などへ手が入っています・・・。

スターター不調について調べると、スターター本体だけでなくマイナス側の接続にも問題が確認され、スターターAssyを取り外し、専門業者でオーバーホールを実施・・・。

Lucasのブラシセットを使用してオリジナルが再生されています・・・。

さらにフレーム側からトランスミッション側へアースラインを追加し、アースケーブルやターミナルも見直されています・・・。

単純に「セルモーターを新品交換」で済ませず、既存のLucas系スターターを再生しながら、同時に車体側の電気的な弱点まで改善している様子が伺えます・・・。

オイル焼け臭については、カムカバー合わせ面からの漏れを発見・・・。

カムカバーガスケット、シーリングワッシャー、サーキュラープラグを交換し、エキゾーストへオイルが触れない状態へ修正されています・・・。

クラッチについても、レリーズシリンダーからフルード漏れが見つかり、レリーズシリンダーを交換。クラッチフルードとブレーキフルードも同時に更新されています・・・。

この時さらにデフを支えるトルクロッドブッシュも劣化が確認され、左右とも交換されています・・・。

この最後の作業は、単なる車検整備として見過ごせない部分です・・・。

デフ周辺の支持剛性は、アクセルON・OFF時の駆動系の動きや、リアから伝わる感触にも直接影響します・・・。

今回実際に走らせた際、古いロータスにありがちな駆動系の不快な振動や大きな遊びをほとんど感じなかった背景には、このように目立たないブッシュ類まで最近手が入っていることも大きく関与していることでしょう・・・。

少し長くなりましたが、この20年間の記録を読み終えて見えてきた、この26/0112という個体の詳細・・・。

こうして2006年から2025年まで順を追っていくと、このエランに対して行われてきた整備には、非常にはっきりした方向性が見受けられます・・・。

 

まず最大のポイントは、オリジナルの主要構成を捨てていないこと・・・。

この記録から読み取れるこの個体の高いオリジナル性が残るという大きな魅力・・・。

だから現在この車を目の前にすると、1963年のシリーズ1そのものの雰囲気が驚くほど強く残っていると感じられるのでしょう・・・。

そうです・・・!

もうお分かりの様に、この膨大な資料から読み取りことの出来るこの個体の真の価値とは、来歴を大切に考え、60余年前のオリジナルに最大限の敬意を払い、所有してこられた直近の20年間、走るたびに少しずつ熟成し完成度を上げてきた事実そのものだ・・・!ということなのです・・・!

そして・・・

これからが新しい「ガレージの中の永遠に終わらない夢物語」の始まり・・・。

現在の状態から、さらなる熟成を目指して日々エランに触れて行く・・・、という最大の喜びがこの個体にはもれなく付いてくるのです・・・。

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第三章
実際に赤城山南面ワインディング登ってみた・・・! 1963年式 ロータス・
エラン1600・シリーズ1・Type 26・・・、筆者の後書き・・・!

一見してわかる、オリジナル・シリーズ1が持つシンプルなボディラインが非常に美しい1963年式ロータス・エラン・・・。

それ以上にこの26/0112のエラン・・・。

コレクションするだけでは勿体無い・・・!

乗ってみるとその味わいが最高に楽しい・・・!

素晴らしい世界が貴方を待っている貴重な一台です・・・!

いよいよ「走行感・・・」をお伝えする時が来ました・・・!

完全コールドからでも瞬時に目覚めるロータス・ツインカム・ユニットは、エンジン・スタート直後から見事に安定したアイドリングでまず観るものを驚かせてくれます・・・。

「バランスがいいんだろうな・・・。」などと思いながらツイン・ウエーバー・キャブレターのリンケージに手をかけて、ブリッピングしてみると・・・、まるでレーシングカーの様な(そのものですが・・・)素晴らしいレスポンスに相当気持ちよくなり、ずっと聴いていたくなることに・・・(笑)

FRPボディが持つクラシック・ロータス独特の“あの匂い”も実に堪能的・・・。

軽いドアを開けて、オリジナルシートに乗り込み、目の前の綺麗なスミス製メーター類にうっとりしながらアクセルを煽ると、メーター針の動作に思わず笑みがこぼれる・・・。

そして走り出すと・・・!

それはそれは・・・、五感全てを刺激する、素晴らしいエラン・シリーズ1の世界観がきっとあなたも魅惑の世界に誘い込むことでしょう・・・!

しっかり仕上がっていない限り、絶対に味わうことが出来ない、走り出してすぐに感じる実にしなやかなシャーシ・・・。

これはもうロータスならではの・・・、そしてクラシック・ロータスでないと味わえない、“めちゃくちゃ軽い”としか表現できない身のこなしに感涙します・・・!

細身のタイヤと、軽い車体ゆえロードノイズでさえ軽やか・・・!

そしてこのままレスポンスの鋭い、ロータス・ツインカム・ユニットを右足で煽り、軽やかにシフトダウン・・・、大きく華奢なオリジナル・スプリンガル製ステアリングを手のひらで軽く回して鼻先だけ変えると・・・、まるで意思の方向に気持ちの良いロールを伴い、スッと向きを変えて行く・・・!

そしてまたアクセルオンと小気味よいシフトアップで心地よい加速を、途切れることなくしてゆくのです・・・!

動画撮影時、途中でコースを変え、気がつけば赤城山南面のワインディングへ向かっている筆者がおりました・・・。

筆者編集の動画でもご覧いただける様に、実に気持ちよくワインディングを駆け上がる実際の速度域は、全く安全な範囲内・・・。

そこが実に気持ち良いのが“この”26/0112シリーズ1エランなのです・・・!

一人のオーナー様が、週末の「この快感・・・」を味わうべく、真摯な専門店との出会いで20年余年の歳月をと膨大な投資を行い、ここまで熟成を極めた一台・・・。

今まで様々なシリーズのエラン数台を含め、クラシック・ロータスにどっぷりだった筆者ですが、こんなに気持ち良く走れるエランは初めてです・・・!

そこに見事に感じられた、他のプロダクション・カーでは絶対に味わえない、60年代ロータスの実情と、それを率いたコーリン・チャップマンの思想そのものの世界観が実に素晴らしい・・・!

見え始めると抜けられなくなる「究極のエンスージアストの桃源郷・・・」こそ、やはりここにありと心から感じた次第です・・・。

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20年という歳月と膨大な投資で、走りが究極に楽しいロータス・エラン
1600・シリーズ1は熟成を極めた・・・! 極初期シリアル#26/0112を
持つ個体は、フルオリジナルの姿も美しい、乗って楽しい・眺めて嬉しい
至高のエランだった・・・!

膨大な投資金額こそ、見学時の資料ご開示の楽しみに・・・

「探しても出ない・・・出会いを待つしかない究極の一台・・・」の見学に・・・

赤城山南面ワインディングすぐ麓の群馬県・弊社まで是非お越しください・・・。

この大変素晴らしい「1963年式 ロータス・エラン1600・シリーズ1・Type 26」は現在、群馬県にあります。

個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。

本車両購入に際しては自動車税の月割り精算(年額¥45,400)並びにリサイクル預託金精算(¥10,100)は、ご購入者様にてご負担いただきます。

また陸送は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、ご希望がありましたら是非ご相談ください。距離に応じてお見積り作製し、弊社自社所有の3t完全密封フラットローダー積載車でお届けさせていただくこともできます。

【お問い合わせに際して・・・】

このページの車両はクラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト「エステートセール・スプレマシー®︎」に掲載されたものです。

エステートセール・スプレマシー®︎は、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿と動画でご紹介する北米文化エステートセールの日本版です。

現オーナー様の想いを実直に表現、思い出は心にしっかり残しながらも、確実に次の世代に引き継ぐご案内から、安全な販売仲介対応をいたします。

 

本記事内容は、2026年9月26日15時より、曇天下約3時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビューしたものを元に執筆作成したものです。かぎられた時間での確認につき現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります、また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントも、あくまで取材時の天候・状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。

掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。

何卒宜しくご検討下さい。

 

車両の細かな状態は写真毎に説明があります

上部スライドには、車両の魅力的な写真が50枚ございます
写真をクリックして説明と共にご覧ください
※画像外をクリックすればページが戻ります

スペック

車検

令和9年2月

走行

13,372マイル表示(5桁メーターのため走行距離不明扱い)

備考

極初期S1

シャーシNo.26/0112

英国登録番号654CGT

2005年並行輸入国内新規登録以降国内2オーナー車

オリジナルシャーシ〜エンジンマッチング個体

1558cc ロータス・ツインカム

オリジナルツインWeber 40DCOEツインキャブレター

右ハンドル 4速MT

オリジナル外装〜内装〜ウッドパネル、スミス製メーター、スプリンガル製エラン専用ウッドステアリング、スチールホイール&クロームホイールキャップなど初期S1オリジナルディテール現存

2007年エンジン完全分解フルリビルド実施

2006年以降同一工場にて約20年間にわたる国内整備記録多数あり

ブレーキ、冷却系、燃料系、ドライブシャフト、スターター、クラッチ、デフ周辺、サスペンション等継続整備済

車名 ロータス

型式 -1600-

車体番号 260112

原動機型式 LP

英国時代からのオリジナル度を極めて高く維持する希少個体

長さ

3690mm

幅

1380mm

高さ

1150mm

重量

710kg

排気量

1558cc

価格
BAT掲載中